知人・親戚に生活保護を受けさせたい時はどうすれば良いか
世の中には、生活保護受給者がいる一方で、様々な理由で生活保護受給者になることを拒む方がいます。それだけなら個人の考え方の問題なので何の問題もありません。ですが、そんな方が「お金を貸してくれ」と、あなたに言ってきたとしたらどうでしょう?私を頼るより素直に生活保護受けてくれよ、と正直思いませんか?また、あなたに実害を及ぼさなくても、こんな生活状況なら生活保護を受けた方が良いのにな…と思う相手はいませんか?
今回は、生活保護を受けさせたい相手がいる方に、相手のタイプ別にどうすれば生活保護を受けて貰うことが出来るかをお話します。※今回のお話しでは、資産要件(財産が無い)や収入要件(収入が基準額以下)は満たしており、本人の申請次第で生活保護の受給が決定するものとします。
まずは、相手が生活保護についてどう考えているのか、相手の事情を推察・把握することからです。 生活保護を申請しない人のタイプは、私の知る範囲では次の4つです。
・申請などが面倒くさい
・生活保護に対して負い目を感じている
・単なるわがまま
・犯罪歴などがある
以下、タイプ別に接し方、生活保護の促し方を述べます。
申請などが面倒くさい
生活保護という制度だけはなんとなく知っているものの、面倒くさそう…と敬遠しているタイプです。自分のことなんだからちゃんと考えるんじゃないの?と疑問に思った方もいるかと思います。貧困層・底辺の能力や性格を舐めてはいけません。申請をする能力が無かったり、申請をするためにどうするか思考力が続かない場合があります。
私も本質的にこのタイプですのでよくわかります。面倒なことより楽な方向を選び、今日がなんとか終わればそれでいいと思っている部分があります。自分の人生がかかっていることについても同様です。このタイプは何かにつけて「明日から頑張ろう」と、毎日のように考えます。その明日が訪れることはは1年に10日ほどしかありません。 とにかく、面倒なことを先延ばししようとします。広い意味では、生活保護の受給要件を満たしているにもかかわらず、自分に受給資格があるか考えることを辞めている人もこれに該当します。
さらにしょうもないプライドを持ち合わせ「生活保護についてよくわからない、自力で調べられない」という弱みを打ち明けないことも多いです。しかし、生活保護を受けた方が良いだろうとは内心思ってもいます。
そんな人に対しては、非常に手間がかかりますが、生活保護の申請に同行する、生活保護制度について説明するなど、主体的に申請に関われば良いです。とはいえ、関わるのは程ほどにして、生活保護が決定したあとは生活保護のケースワーカーさんに投げましょう。過剰な支援は自立の阻害です。
生活保護に対して負い目を感じている
生活保護で税金の世話になりたくない、人様の世話になりたくないと考えているタイプです。ただ、生活保護に意識が先行しすぎていて、他の人にお金を借りたりすることには意識が回らないことも多いです。生活保護を頑なに拒み、それでも生活が立ち行かないから、親戚に借金をお願いするなどですね。客観的に文章に起こすと本末転倒感が凄いのですが、当人は気づいていません。
もし、このタイプの方が「お金を貸して欲しい」と言ってきたら、不特定多数の人に迷惑かけるより、私に迷惑かけた方が良いと考えているのか?と、直球で聞いてみるのが正しいです。
まともな人間性の持ち主であれば、『税金の世話にはならない!』と主張しても『結局誰かの世話になっている』という自分の行動の矛盾に気づきます。自己矛盾に気づけば意識は変わります。それでも頑なに生活保護を否定するなら、人間性を疑ってよいです。
単なるわがまま
生活保護を受けるという発想すらなく、日々の生活で足りない金銭を周りに要求するタイプです。広く言えば、両親に金銭を要求されている場合などもこのグループに入ります。生活保護に対して負い目を感じているケースと違いが分からないかもしれませんが、人がお金を出してくれるのを当然と捉えている点が異なります。
また、生活保護の受給にあたり、車は手放すようになる可能性など、いくつかの生活上の制限があります。その制限が嫌なタイプも、広い意味でこれに当てはまります。自分に制限がかかるのが嫌だけど、お金がないので他人に金銭を要求し、迷惑をかけることは気にしないタイプです。
このタイプは他人と会話のキャッチボールをしません。何か言っても改善される見込みは薄いです。そもそも「生活保護を受けたら?」と提案したら「どうして?あなたがお金を出してくれるでしょ?」と、話し合いにならないかもしれません。他人に迷惑をかけることを是としているので、縁を切ることも視野に入れた方が良いです。今後付き合いを続けても得る者より失うものの方が多いかもしれませんので。
犯罪歴などがある
反社会勢力などとのつながりが切れない。過去に犯罪を犯し、逃げている。反社会勢力などから借金をして逃げ回っている。等のケースで、人と関わりたくなかったり、役所で手続きしたくないと思っている方です。上記の理由でホームレスになっている方も含みます。 生活保護を受けた方が良いと本人もわかっているものの、事情が事情なのでどうしようもありません。はっきり言って詰んでしまっている方です。
相手が反社会勢力と関係がありそうなら、こちらも関係を断つことを考慮した方が良いです。とはいえ、もしこういう理由で生活保護を受けないとしても、その理由を話すことは無いと思いますし、察することも困難だと思います。自分のことをあまり言わない方に関しては、生活保護を受けろと強く言わない方が良さそうです。そもそも深入りを避けるべきかもしれません。
実害が無ければ、生活保護を受けるも受けないも自由
ここまでは、誰かに金銭を要求するような方を想定して述べました。しかし、誰にも迷惑をかけていないのであれば、人の生き方は自由なはずです。生活保護を受ける権利は勿論ありますが、生活保護を受けない権利だって同じくあります。実害が無ければ本人の価値観は何より尊重されるべきです。例え生活保護以下の所得であっても、本人なりの幸せを見つけていたり、折り合いをつけて頑張っているかもしれません。あまり押し付けにならないようにしましょう。