生活保護に関する考察

生活保護のリスクは政権に一喜一憂することである

2025年の10月、総理大臣が高市早苗氏になりました。
生活保護制度にどんな影響がでるか、一喜一憂している方もいらっしゃるでしょう。
言うまでもありませんが、生活保護の運用は国の政策によって決まり、生活保護制度には時々の政権の色が大きく反映されます。

改めて、生活保護で生きていくなら、政権が変わるたびに生活保護制度への影響を気にするリスクについて考えてみましょう

政権が生活保護に影響を与えた近年の代表例としては、第2次安倍政権による生活保護費の見直しがあります。
都市部の単身者、高齢者世帯を中心に生活保護費が減額され1部の子育て世帯においては生活保護費を増額されたりしました。

また、2020年から2024年においては、生活保護世帯に、生活保護費とは別の給付金が5万円なり10万円なり配られました。
例えば月の生活保護費が10万円というところに10万円を配られるのは、大きなインパクトです。
もちろん一時的な給付金は、もうやらないと決まった時は綺麗に無くなります。

また過去には、就労控除額の変更といったものもありました。
生活保護利用者が生活保護を抜け出せない程度に労働してお金を得た際に、どれだけのお金は生活保護費から引かれず手元に残してよいかと言うものです。
以前は8000円と超過分の2割でしたが、現在では1万5100円と、超過分の1割です。
例えば1万5000円稼いだ場合に、9400円手元に残るか1万5000円残るか、これも大きな差異だと言えます。

このように生活保護下において、政権の決定により入ってくるお金が1割前後増減するのは、特別なことではなくごく当たり前のことなのです。政権に対して一喜一憂するのも当然のことだと言えますね。


生活保護を利用している方は、生活保護しか選択肢の無い方が大多数ではありますが、中には生活保護を利用しなくて済むほど働けるかも知れないが、生活保護を選んだ方がいらっしゃいます。
消極的に生活保護を利用している方は、生活保護費などは政権次第で簡単に変わることなど、当たり前過ぎてデメリットなどと今更認識もしていないでしょう。
制度がいかに改悪されようと、生活保護以外の選択肢が無いのですから。

もし生活保護をコスパ的に良いものだと捉え、いくつかの選択肢の中で積極的に生活保護を選ぶなら、生活保護は絶対安泰の制度では決してないという認識も持ち合わせたほうが幸せに生きられます。

生活保護FIREなどと宣うセンスの欠けた方もネット上には散見されますが、政権に振り回される生活保護は自由とは本質的に程遠い制度なのです。

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