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2025年からの生活保護費、結局いくら増えるのか

生活保護の特例加算が物価高考慮し月500円一律引き上げ、これは26年度まで行う事となりました。
ただし、「生活保護費」「生活扶助費」と書いていない点がポイントです。
現在の生活保護利用者全員の生活保護費が500円増額されるわけでは無い点に注意が必要です。

この生活保護費特例加算増額の件に関連する動画も2つ作成しました。
合わせてご視聴いただけると嬉しいです。

生活保護費は具体的に幾ら増えるのか
生活保護の特例加算が月500円一律引き上げとはどういうことか
生活保護費が増額しない仕組み

生活保護費は具体的に幾ら増えるのか

まずは、生活保護費が幾ら増額されるのか
単身者世帯の表を作りました。

結果として生活扶助費がいくらになるかの表も作りました。
黄色部分が増額されない地域と年齢の組み合わせです。

増額される地域と増額されない地域・年令の組み合わせがあることに
思うことがある方もいらっしゃるかと思います。

生活保護の特例加算が月500円一律引き上げとはどういうことか

今の生活保護費の支給額の算出方法と合わせて説明します

①年令と居住地域に応じた金額に、世帯人数の倍率(逓減率)を掛ける

②世帯人数に合わせた金額

さらに、③特例加算 これが1人1000円から1500円に500円増額される

そして、④経過的加算 

この①②③④を合計して求めます

この④経過的加算というのは、①②③の合計を2023年までの生活保護費と比較し
2023年までの生活保護費よりも減額になってしまうのであれば
特例として加算しようというものです。
厚生労働省が言っている生活扶助費というのは、基本的に①②③の合計だと思ってください。

例えば2023年までの生活保護費(生活扶助)が75000円とします。

ここで①②③の合計が73500円であれば、75000円には1500円足りません。
そこで④経過的加算に、1500円を加えて調節しているのです。

今回、③に500円加算されることで、①②③の合計が74000円になります。
すると、75000円には1000円足りないことになり、④は1500円から1000円に変更となります。

なので今回の特例加算の増額に伴い、経過的加算の金額は500円マイナスされます。
元々経過的加算が0円であれば、マイナスになることはありません。

まとめますと
・経過的加算が元々ついていなければ生活保護費は500円増額
・経過的加算が500円未満なら、差額分が増額
・経過的加算が500円以上であれば、生活保護費は増額しない

となります。

そして経過的加算がついていたのは、東京や大阪などの大都会が多くなっています。

生活保護費が増額しない仕組み

この500円の増額、この物価高に対して全然見合っているとは言いませんが
生活保護費が物価高の中増額しない理由は大きく分けて2つあります
一つ目は、参考にする物価が過去過ぎて、今の状況を拾えないこと
二つ目は、低所得層の暮らしが苦しくなっていことです

物価については、生活保護費を決める際に2~3年前の物価を参考にし、さらにその基準額で5年運用するという仕組みです。
つまりタイミング次第で7~8年前の物価を参考にした生活保護費になるということです。

そして低所得層の暮らしが苦しくなると、生活保護費も抑えられます
低所得層はこれだけの消費で暮らしているという水準に合わせて、生活保護費が決まっているからです。

確かに物価は上昇したものの、一般庶民の手取りはそこまで増えていないわけで
物価が上昇すれば、買うのをやめます。
なので、例えば物価指数が100から110に、1割上がったとしても
給料が増えなければ使えるお金は同じなので
消費額を指数にすると、100から100、変わらずになります

この物価ではなく、低所得層の消費額という指数を見るので
物価の伸びほど生活保護費は伸びません。

次の改定はさらに2年後になります。
行方を見守りたいと思います。

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