生活保護の扶養照会が嫌な人、気にする人、しない人の考え方の差
生活保護は日本で生きていくうえで、最終的に飢えないように生きていくためのセーフティネットです。
その生活保護を申請するにあたり、3親等以内の親族に、申請者を金銭的に援助できないか確認する扶養照会があります。
これが恥ずかしい、親族に連絡が行くのが嫌という人が一定数居ることが、国会でも話題になっています。
国会にて、小池晃氏の質疑により田村厚労相から「生活保護の扶養照会は義務ではない」という発言も出ました。
とはいえ、扶養照会を行わない運用をするというのは、今年来年の話にはならないと思います。
そこで、『扶養照会が気になって生活保護を申請できない』けど生活保護を利用したい、という方は他のタイプの考え方の人を参考にしてみるのも良いのではないでしょうか?
世の中には、生活保護を申請する際の扶養照会について、
1、扶養照会を気にして生活保護を申請しない人
2、扶養照会を気にしても生活保護を申請する人
3、扶養照会を気にせず生活保護を申請する人
の、3種類の人に分けられます。
それぞれの考え方を深堀りしていきましょう。
1、扶養照会を気にして生活保護を申請しない人
現在、問題となっている層です。
1か月後の見通しさえ立たないほど困窮しているのに、生活保護を利用しない人向けのアンケート調査等でも、このタイプの方を確認できます。
「親に知られるのが恥ずかしい」
「子供に心配かけたくない」
気持ちは理解できます。
それを承知で敢えて辛辣なことを言いますが、このタイプの人は仕事が出来ない人です。
「年下上司に怒られるのが嫌で仕事辞めた」
「なんとなく仕事の失敗の報告を出来なかった」
「仕事が遅れているけど相談していない」
という人と思考回路が同じだからです。
仕事をしていれば、恥ずかしさを堪えて失敗の報告をしなければならない場面、仕事の遅れを報告しなければならない場面があります。それを報告しないと、誰もフォローできずに大損害を出してしまうかもしれませんね。
生活保護の扶養照会を気にしている人も、誰からもフォローされなければ飢え死にするかもしれません。その深刻さをきちんと理解していれば、恥ずかしさを堪えて敗戦報告をすることが出来ますが、恥ずかしさが勝ってしまう人もいます。
そう言う意味で、どちらも「恥ずかしいから黙っておきたい」と同じことを考えている点が共通しています。
気持ちはわかります。黙っている限りは問題を先延ばしに出来ます。
でも、黙った結果得する人は誰も居ません。
世の中には『黙っていても誰かがなんとかしてくれる』と思って生きている人がいます。
それを自分の人生に持ち込んでも、誰も何もしてくれません。自分の人生で黙っていては飢え死にするだけなので、恥など覚悟して、きちんと声をあげましょう。
ところで、自分もこのタイプだな…という方で、現在生活保護利用ラインの暮らしぶりの方もいらっしゃるかと思います。
確認ですが、おひとりで暮らしているのでしょうか?
それともご家族と暮らしていて、ご自身が世帯の柱になっているのでしょうか?
おひとりで生活しているのでしたら、ご自身の人生なので何とも言いません。ご家族が居て、自分の対面だけを気にして生活保護を申請しないのは、扶養家族に対する責任放棄です。それだけは頭に入れて、生活保護を利用するか、それでも諦めるか考えましょう。
ここからは私の偏った私見です。
『家族に知られるのが嫌』と言う方がいますが、そもそも生活保護を利用することも連絡できない家族関係なんて、別に大した関係では無いのではないか?と思います。
逆に考えればすぐわかるかと思うのですが、もし自分が生活保護を利用申請したことを、知らされる側の立場ならどうでしょうか?何とも思わないから早く言ってくれればいいのに、とか思わないでしょうか?
特に生活保護を利用するなら子供に連絡が行くのが嫌、という高齢の方がいます。生活保護を申請しないのは、子どもの立場としても理解できません。生活苦になったり、住所不定でふらふらされるよりは、生活保護で生き抜いてくれる方がよっぽど安心できます。ただ、『子供に迷惑をかけたくない』という気持ちだけは尊重します。
以上、私見でした。
2、扶養照会を気にしても生活保護を申請する人
いわゆる『背に腹は代えられない』と覚悟を決め込んだ人です。中でも、自分がなんとかしなければいけない家族がいる方は、扶養照会がすごく気になっても申請します。
実際問題、体面を気にして飢え死にするわけにはいきません。人間、追いつめられればなりふり構うのをやめます。
別に親、親戚に対して恥ずかしい思いをしたからと言って、死ぬわけではありません。
ここに該当するのは自分のプライド、恥ずかしさと、自分や家族の生活を天秤にかけて、自分や家族を大切にしようと思えた人です。
3、扶養照会を気にせず生活保護を申請する人
無理なものは無理だときっぱり認められるタイプの人
家庭環境の周囲が貧困層で、生活保護制度を利用するのにためらいの無い人
こういうタイプの人は、そもそも扶養照会を何とも思っていません。
因みに私も、貧困家庭の出身なので、親、親戚に扶養照会が行くことを何とも思いませんでした。
一応親に連絡して「扶養照会とか行くけど適当に読んどいて」とか言いました。
私を含めこの考え方をする人は、生まれ育った環境、本人の性格的なものが大きいです。こうなろうと思って考えられるものでもないため、扶養照会を気にする人は、こういう考え方の人もいるんだくらいに捉えてください。
まとめ
以上、生活保護の扶養照会に対する考え方をまとめてみました。
扶養照会を気にして生活保護を申請しなかった方が、いきなり扶養照会を気にしなくなるのは無理があります。ただ、自分や家族の生活と恥ずかしさを天秤にかけて、自分や家族の方が大事だと割り切ることは可能ではないでしょうか?自分や家族は、飢え死にしたり、飢え死にさせても良いくらいどうでもいい存在なのか、考えてみましょう。