生活保護の受給・申請

生活保護の扶養照会に関するアンケート【親族に知られないなら利用したい人が4割】

生活保護を利用することにおいて、扶養照会が高いハードルだと言われています。小規模なアンケートですが、扶養照会が高いハードルになっていることを証明するものがあります。

生活保護、3人に1人が「家族に知られたくない」。扶養照会が大きな壁に(アンケート調査)

記事から、特に注目すべき点を抜粋します。

年末年始、都内の生活困窮者向け相談会の参加者を対象に、生活保護利用に関するアンケート調査を実施。
165の回答があり、うち男性は150人(90.9%)、女性は13人(7.9%)、その他・無回答が2人(1.2%)。

現在、生活保護を利用している人は22.4%
一度も利用していないと答えた人は64.2%

生活保護を現在、利用していない人の中でも、およそ3人に1人にあたる34.4%が「家族に知られるのが嫌」だと回答している。

現在利用していない人を対象に
生活保護の制度や運用が変わり「親族に知られることがないなら利用したい」と答えた人は39.8%、
どう変わっても利用したくない人は5.5%

抜粋は以上です。

生活保護を利用していない4割ほどの人が「親族に知られることがないなら利用したい」と回答していることは非常に大きいですね。そして生活保護を利用していない人の3人に1人が「家族に知られるのが嫌だから」と考えるところに、この国の闇を感じます。私から見たら、生きるか死ぬかのところに追いつめられてなお「恥ずかしい」と言っているのはどうかしていると思います。理想を抱いて溺死したい考えの持ち主が、困窮者のうち3割もいることに驚きを隠せません。

実際に扶養照会を行い、有効な支援を得られる可能性は2%なので、扶養照会は無駄で恥ずかしさを増長させるだけなので、撤廃しろという意見もわかります。

仮に、扶養照会制度がなくなれば、どうなるかちょっと考えてみましょう。

まず、親族に知られることがないなら生活保護を利用するという方のため、生活保護利用者は一時的に一気に増えます。

ただそんな方々は、『家族、親族に知られてしまう前に生活保護を抜けよう』という意識が働き、生活保護脱出の意思は強いはずです。

一方『家族、親族に生活保護を利用してることを知られてしまったらどうしよう』と、頭を抱えながら生活することになります。

扶養照会が無くなれば生活保護を利用したいという方は、これまでなんだかんだで生活保護なしでやってこれたということになります。仕事を探すサポートなどが適切にされれば、最低限やっていけるだけの要素はあるので、生活保護から抜け出すのも早いはずです。

仮に扶養照会が無くなっても、生活保護利用者は一気に増えてすぐに減るため、激増することにはならないと考えます。特に扶養照会が無くなっても問題はないかなと思いました。

それと同時に、生活保護が恥ずかしいという意識が変わることも必要です。

現状の『生活保護を利用するのは恥ずかしいから死ぬ』という考えが出るのは行きすぎです。

特に、生活保護が恥ずかしいと感じる点は

『生活保護を利用している人も、能力に応じて働いている』

ということを知らず、働かずに自堕落に生きているイメージがあるからというのはないでしょうか?生活保護とは、生活すべての面倒を見る制度ではなく、努力しても足りない部分を補う制度です。

つまり、生活保護を利用していても働くのは大前提で、その上で生活していくうえで足りないものを補う制度です。この点を理解するだけでも生活保護に対するイメージが変わるかと思います。

生活保護を利用することで、自堕落に生きる恥ずかしい人間になるわけではありません。生活保護を利用しても将来的に抜け出す、抜け出せないにしても最低限の自立をし、自堕落に生きなければそこまで恥ずかしく無いのではないでしょうか?

特に、頑張って働いても10万円程度を稼ぐのが限界…という状況であれば

・まずは頑張って働く前提で、いったん生活保護を利用する
・数々の免除制度などを利用して生活に余裕を持たせる
・医療費扶助を利用して、歯医者や持病の治療など、自身の健康を整える
・生活保護を利用しなくても良いように、就職・転職活動を行う
・体勢を立て直したうえで生活保護から抜ける
という展望で生活保護を利用すればよいと思います。

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