うちは生活保護受給者世帯だと子供に伝える時期は何歳ごろが良いか
生活保護を受給している場合、お子様にいつ、どうやって伝えるかは悩ましい問題ではないでしょうか?
今回は、お子様の居る生活保護受給者世帯を想定して、どのタイミングで生活保護を受給していることを明かすべきかお話しします。
私の考えるベストなタイミングは11~15歳だと思っていますので、その理由を掘り下げていきます。
目次
・タイムリミットは15歳(中学卒業)まで
・子供の心情的には早めに伝えて欲しい
・分別が出来るようになるまでは伝えない
・まとめ
タイムリミットは15歳(中学卒業)まで
まず現実的なタイムリミットとして、15歳(中学を卒業する)までには、お子様に生活保護だということは絶対に伝えなくてはいけません。
理由は、生活保護だということを知らずにお子様が勝手にアルバイトをして、収入を申告しなかった場合、生活保護費の不正受給に該当してしまうからです。
もし、お子様が高校生などアルバイトを出来る状態になっているにもかかわらず、生活保護を受給していることを伝えていないなら、結構危険な状態なのですぐにでも明かしてください。
仮にお子様が勝手にアルバイトして、収入申告をしていなかったとします。アルバイト期間は半年、発覚するまでに手にしたアルバイト代は20万円とします。
収入申告しなくても、企業が税金を申告するタイミングで、お子様の給与情報が公的機関に渡るため、発覚します。企業がお子様に支払った給与と、収入申告の額が照合され、一致しない場合はおかしいということになります。
働き方にもよりますが、もしここで収入申告していれば、15万円程は控除によって手元に残るはずでした。しかし収入申告をしていない場合は、控除など無く、全額返還(アルバイトで稼いだ分の生活保護費20万円の返還)になります。本来であれば控除によって手元に残ったはずのお金は全く残らなくなります。
この例では、20万円分の労働をした結果、何も残らないことになります。
それどこころか、高校生の貴重な時間を割いたので、学校の成績に支障をきたしているかもしれません。部活に充てたかった時間を犠牲にしたかもしれません。
もし自分がその当事者になったらどう思うでしょうか?
生活保護制度の仕組みを教えてくれなかった親や理不尽な運用をするケースワーカー、制度を作った国を恨まないでしょうか?
少なくとも、こんな逆境にめげずに頑張ろうという心境になるとは思えません。誰にとっても不幸な展開が待っています。
このように、生活保護だということをアルバイトが出来るようになったお子様に伝えないのは、実害が非常に大きいので絶対に避けましょう。
子供の心情的には早めに伝えて欲しい
お子様が15歳になっていないのであれば、まだ大丈夫と生活保護受給者であることを伝えるのを先延ばしにしているかもしれませんね。もし、言いにくいから先延ばしにしようと思ってしまうのであれば、気持ちは非常に理解できます。
ただ、お子様の視点からも考えてみましょう。
・子供が自力で自分は生活保護世帯だと理解する
・子供が自分は生活保護世帯だと教えられて認識する
どちらも結果だけを見れば、子供が自分は生活保護世帯だと理解する点は同じです。
ですが、生活保護だとちゃんと打ち明けてくれたか、ずっと自分に隠そうとしたけどバレたか、捉え方は全く変わってきますよね。
ご自身が誰かに隠し事をされたときのことを思い出してみて下さい。隠し事をしようとした人に対してあまりいい印象は持たなかったと思います。
お子様に伝えることを先延ばしにすればするほど、お子様も成長し、知的水準・思考力も上がります。お子様が自力で自分は生活保護世帯なんだと事実にたどり着く可能性が高くなります。
出来るだけお子様の心情を考えた伝え方、タイミングを選びましょう。
分別が出来るようになるまでは伝えない
子供としては、早めに伝えて欲しいことではありますが、あまりに早く生活保護だということを明かされても物事の分別が出来ません。
言うべきではないところで生活保護だと周囲に話してしまうかもしれません。お子さまが友人にうちは生活保護だと言ったり、生活保護だからあまり働かないと言うかもしれません。
その結果どうなるかは周囲の方次第ですが、生活保護世帯にとってプラスに働くことがあるとは思いません。
ということで、お子様が
言って良いことと悪いことの区別
生活保護とはどういうものかの理解
生活保護受給者に対する社会からの風当たりの認識
が出来るようになるまでは、伝えるべきではないと思います。
お子様が10歳に満たないうちはなかなか難しいのではないでしょうか。
私個人について言えば、不用意なことを言わないようになったのは12歳くらいでした。もちろんお子さまがどれほど分別がつくかは、年齢よりも個人差が大きいです。お子様が、生活保護について不用意に口にしないくらい分別がつけば、伝えましょう。
まとめ
以上を踏まえて結論として、お子様が11~15歳までの間に生活保護世帯であることを伝えるべきです。
お子様の性格など考慮すると、具体的にどのタイミングで伝えるのがベストかはそれぞれです。人によっては、お子様に生活保護世帯であると伝えるのは結構思い切りが必要なことですが、いつまでも避けては通れません。お子様にとって最も良いタイミングで伝えましょう。