生活保護世帯の大学進学は高校選びが非常に大事
生活保護世帯で育っている小学生、中学生の方は、将来生活保護のお世話にならないために大学まで進学したいという考えの方もいらっしゃるでしょう。
そのためには、高校選びが非常に大事で、進学率の高い高校に行くことを強くお勧めします。
その理由も紹介します。
そもそもですが、生活保護世帯の進学率は大学や専門学校を合わせて35%くらい、一般家庭の進学率は70%くらいです。生活保護世帯から進学することは特別でも何でもないのですが、人によっては考えられないこと、ありえないことのように扱われています。それを左右する一因が高校にあると私は考えています。
進学校は周りに勉強できる人がそれなりにいる
周りに勉強できる人がそれなりにいる環境は刺激になります。
私は生活保護世帯ではありませんでしたが、生活保護を申請するなら間違いなく通るレベルの貧困家庭で育ちました。
塾なども行く余裕は無かったわけですが、周りを見ると私以上の悪条件で旧帝大クラスの大学に進学した人もいました。
(塾に行く余裕が無いのに加えて、高校卒業まで金銭的な理由で携帯を持てなかったとか、学校外の参考書なんて買っていないなどです。私の世代でも、携帯を持っていない高校生の割合は1~2%でした)
縛りが多くても、成績を伸ばしていく人たちの勉強方法を横で見ていると、非常に参考になります。
後は単純に、自分よりも恵まれない環境で自分よりも成果を出している人を見ると、ただ単に自分の能力が無いだけなんだなと自覚できるので、環境のせいにすることが馬鹿らしくなります。
どうせ貧乏だからと投げやりにならなくても良く、恵まれない手札でいかに創意工夫するかということを教えてくれます。
進学が当たり前の雰囲気は後押しになる
進学について、周りは関係ないと思うかもしれませんが、よほど意志の強い方でなければ進学が当たり前の雰囲気で過ごす方が、大学進学しやすいです。
例えば大学や専門学校への進学率が95%の高校と、30%の高校を比較してみて下さい。
後者なら就職が当たり前になりますが、前者のような進学当たり前の空気であれば、生活保護であろうと貧困であろうと進学しないのは異端だと思われます。
自分の成績が良ければ猶更です。
そんな進学校は、貧困世帯でも高等教育機関に進学した実績を積み重ねているので、奨学金や授業料免除の制度など、貧困世帯が上手く進学するための情報も集まっています。
加えて、教員のモチベーションにも違いがあります。
生徒が良い大学に進学した方が、教員としての評価、高校への評価も上がるので「家が生活保護だから」程度の些細な理由で進学を断念させたりはしません。実際にそんな事例は幾らでもあります。
これが進学率が大して高くない高校であれば、成績が良くても「家が生活保護だから」進学せずに就職するのも仕方ないよね、となります。
このように高校によっては、「生活保護世帯が進学することについての理解度」が全く違います。
生活保護世帯の大学進学には、「親、学校、ケースワーカー(福祉事務所)」が絡んできます。
そのうちの一つである学校が大学進学に理解があるかどうかは、自身のモチベーションも大きく左右します。
大学進学を考えるなら、大学進学について理解のある高校の方が間違いなく楽でしょう。
ということで、生活保護世帯から大学進学まで考えるのであれば、まずはどの高校に行くかが重要という話でした。
もちろん高校受験の段階で頑張ることが多いのですが、将来のために必要な努力だと割り切ってください。
もしそこで良い成果が出せなくても、将来頑張りが必要な局面は何回も訪れます。その時に頑張った経験があれば、どれだけ頑張れば目標に届くのか参考にできるので、決して無駄にはなりません。