生活保護に関する考察

生活保護の冬季加算の意義と夏季加算を考える

これを書いている日は、10月19日
そんな日に東京で最高気温30度になろうとしています。
真夏日です。
季節の上では秋も半ばですが、真夏日です。

さて、これを書いているのは3年半の生活保護経験がある元生活保護利用者です。

そんな暑くなった東京でも、11月から3月は
生活保護制度に置いて『冬季加算』の名のもと
生活保護費が上乗せされて支給され
その額は2600円と言うわけですが
その意義を見直してみようと思います

もはや冬より夏の方が厳しいのではないか

2000年より前は、夏は暑いと言っても命にかかわるほどではありませんでした
最高気温は30度をちょっと上回る程度だったと記憶しています。

今では体温越えの暑さと言われても驚かないでしょう。
最高気温37度と言われても、げんなりするだけでそんなもんだと受け止められます。
むしろ35度と言われたら、体温を超えていないからマシと言う認識まであります。

夏の暑さの質は大きく変わったと思います。

そして、これは南関東圏に限った話かもしれませんが
私は昨年、11月に暖房器具を使った記憶がありません。
今の南関東圏では、11月から3月は冬季加算の名のもと生活保護費が上乗せされますが
11月って冬のカテゴリーなんだっけ?と疑問が深まるばかりです。

そんな現実を見て、生活保護には冬季加算があっても夏季加算が無い
と言うのはいかがなものだろうかと言う気持ちもあります。
夏冬の定義と合わせて見直しは必要ではないかと思います。

冬季加算でも夏季加算でも生活保護費の年間総額は変わらない

冬季加算や夏季加算の話をする前に

これを読んでいただいている方々の中にも
生活保護の夏季加算制度はどうして作らないのか
もっと言えば、夏季加算制度を作って生活保護費を上げろと考える方も
いらっしゃるのではないでしょうか

生活保護費がどうやって決まってるんだろうとちょっと考えれば分かることですが
夏季加算制度が出来ても、トータルの生活保護費が増えることはありません。

例えば、生活保護費の基準となる光熱費が
春 月8千円
夏 月1万円
秋 月8千円
冬 月1万2千円

だとします

それを基に、春夏秋で平均して月9千円
冬は高いから月9千円に冬季加算を加えて月1万2千円
のようになっているのが生活保護の冬季加算です

ここに夏季加算を作るとどうなるか

春秋は8千円
夏は1万円
冬は1万2千円
と言う基準で

春秋の8千円を基準にして
夏は夏季加算で2千円の加算
冬は冬季加算で4千円の加算

のようなややこしい制度になりますが
夏季加算ができる代わりに、最低限の光熱費に当たる金額部分は低くなるため
差し引きで、1年の生活保護費は変わりません。

夏季加算として夏の生活保護費を増やすのであれば
夏ではない春や秋、地域差もありますが5月などの
生活保護費が減ることになります。

単純に、「生活保護費に夏季加算を付けろ」と言っている方々は
夏季加算を作ることでの制度への影響が、どこまで想像できているのか心配になります。

逆に、今の冬季加算を撤廃するのであれば
冬季以外の生活保護費は増えることになります。
冬の突出して高い光熱費を他の季節と合わせて平均化することになりますので

ただ、春や秋に貰った生活保護費を
冬の光熱費のために取っておこうという発想ができる人も
生活保護の世界では少ないように思えるので
冬季加算を廃止して生活保護費を平均化するのは現実的とは思えませんけど。

生活保護費が決まる仕組みの方はおいておきまして

むしろ冬季加算の配分が減り、制度がややこしくなることになってでも
7月から9月は夏季加算と言う形で補填をした方が良いように思えます。
近年の暑さは我慢すれば耐えられるレベルを超えてしまっている現状を鑑みて
夏季加算があれば、これだけはエアコンに使っても良いよと言うメッセージになり
暑くても我慢するという事態を減らせるのではないでしょうか。

という生活保護の冬季加算、夏季加算について
常日頃考えている事を、暑いことを伝えてくれる温度計を見て
11月って寒くなくなったなあと思いながら書き出しました。

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