生活保護での生活

生活保護受給者が賃貸住宅選びで損しないために気を付けるポイント

生活保護受給者だって住むところは必要です。
今回は生活保護の家賃についてと
生活保護世帯に最適な賃貸住宅の選び方のお話をします。

生活保護を受給することになったものの
現在の家賃が高すぎるので
生活の立て直しのため引っ越しを促されている方
生活保護世帯はどんな賃貸住宅を選ぶべきか
知りたいという方向けの内容です。

目次
住宅扶助と管理費
ガスの種類
インターネット使用料無料
具体的にどう変わる?
住宅にかかるお金の扶助
まとめ

●住宅扶助と管理費

まずは、生活保護費の住宅扶助についておさらいです。
生活保護費は
生活扶助と住宅扶助の項目に分かれて
合計額が月々支給(住宅扶助は家賃として
直接大家へ支払いする場合もあり)されます。

生活扶助は地域ごとに
設定された等級に従って決められています。
住宅扶助は実費払いです。
住宅扶助の上限は地域ごとに設定された
等級に従って決められています。

ここで注意すべき点があります。
賃貸物件を探す際には
家賃・管理費(共益費)という2つの項目を
家賃としてまとめて認識するのが
普通かと思います。
毎月払うという意味では変わりませんからね。
でも、管理費(共益費)という名目で
支払っているお金は家賃とはみなされません。
よって、住宅扶助として
支給さることもありません。
管理費(共益費)は生活扶助として
支給されるお金を充てることになります。

これを踏まえて
東京都を例に物件を探してみますと
管理費(共益費)なし
家賃53700円(2019年現在東京都23区に
設定された単身世帯の住宅扶助上限金額)
ここまで露骨な家賃設定でなくても、53000円から53700円の間くらいの家賃
という、あからさまな生活保護向け物件を多数見つけられるかと思います。
そのような物件は、生活保護可、福祉相談など
それっぽいことを書くでしょうから
素直に見つけられるでしょう。

将来生活保護を受けることになるかも…
と、不安を背負って生きている方は
管理費が設定されていない賃貸物件を
探すと良いでしょう。

ぶっちゃけ家賃5万円の物件と
家賃4万5千円+管理費5千円の物件は
月々5万円を支払う点は同じですが
住宅性能自体もほとんど違いはないです。
ならなぜ家賃5万円にまとめないかと言えば
家賃5万円の物件と言うより
家賃4万5千円+管理費5千円という方が
なんとなく安い気がして借り手にウケるからです。
例えば検索で家賃5万円までにした場合
家賃5万千円の物件は引っ掛かりませんが
家賃4万5千円+管理費6千円の物件は
検索に引っ掛かりますからね。

生活保護でなければ別に
家賃でも管理費でも問題にもなりませんが
生活保護世帯では場合によって
家賃か管理費かの違いが死活問題になります。

●ガスの種類

次に、プロパンガスでなく、都市ガスの物件だと良いです。
私の経験で語りますが、プロパンガスは都市ガスと比べ
月々の料金が1.5~2倍になります。

ここで、プロパンガスと都市ガスの家賃とガス料金のお話をしておきます。
両者はビジネスモデルが全く違います。

都市ガスは、家主が管理します。
ガスの配線を賃貸物件に引き込むのは家主です。
安くないお金がかかります。
その分は家賃に転嫁されます。
ガス代自体は、多くの契約者がいるため
また、配線が引かれているのでガスを楽に供給できるため安いです。

プロパンガスは、ガス会社が管理します。
ガスコンロが設置されていて、結構使い込まれたりしたら
新しい入居者さんが入る際などに
新しいものと交換するなどあります。
ガス会社の人がいろいろやってくれる…
と言えば、一見良心的に聞こえると思います。
その代金は、プロパンガス代金に転嫁されます。
また、プロパンガスのボンベの交換なども
プロパンガス代金に転嫁されます。
そのかわり、家主の負担が少なくなります。そのため家賃を少し安く設定することも可能になります。

ですので、同じエリアにプロパンガスと都市ガスの物件が混在していれば、都市ガスの物件の方が若干家賃が高くなっているかと思います。

しかし、生活保護受給者の視点で見れば
住宅扶助の上限の範囲までなら
家賃を生活保護費として受け取れます。それを踏まえると、ガス代は安く、家賃が高くなる都市ガスの方が良いですよね。ガス代が安いだけ生活扶助費の持ち出しが減ります。

最近はHIコンロの設置比率も
かなり上がってきましたので
ガスはお風呂を沸かすだけになり
一昔前ほど差は出ないかも…と思います。
とはいえ普通にシャワー浴びるだけの方でも差は出ます。
湯船につかる方ならはっきりと差は出ます。
冬でもガス代が2000円を切る
くらいの方でしたら、さすがに差を感じることは
無いかと思います。

まれに…プロパンガスの方が安い
という意見をみますが
そんなプロパンガス業者様があれば
ぜひ教えていただきたいです。

●インターネット使用料無料

格安SIMやwi-fiの使用料にもよりますが
2000~3000円の節約効果があると思います。
あるに越したことはないです。
とはいえ、ライフスタイルの違いもあるので
ベターですが必須ではないと考えます。
現在月2000円程度で格安SIMを利用し
PC通信も格安SIMのテザリングで足りている方なら
特に節約効果は見込めないと思いますので。
逆に常時PCをインターネット回線につなぎたい方は重視してよいと思います。

●具体的にどう変わる?

具体的に家賃、管理費(共益費)
ガス代を合わせた出費の比較をします。
ケースAは私が都市ガスの物件に住んでいた時の家計簿から
ケースBは私の生活保護時代の暮らしの家計簿から

ケースA:
家賃53000円+共益費なし+都市ガス(4000円)

ケースB:
家賃43000円+共益費4000円+プロパンガス(6000円)

2人が生活保護世帯でなければ…
ケースA:
家賃53000円+共益費なし+都市ガス(4000円)
=57000円の出費

ケースB:
家賃43000円+共益費4000円+プロパンガス(6000円)
=53000円の出費

2人が生活保護世帯なら…
ケースA:
家賃53000円+共益費なし+都市ガス(4000円)ー家賃53000円
=住宅扶助外で4000円の出費

ケースB:
家賃43000円+共益費4000円+プロパンガス(6000円)ー家賃43000円
=住宅扶助外で10000円の出費

というように
生活保護受給者として比較した場合
慎ましく暮らしているはずのBさんの方が
毎月の住宅扶助以外での負担が
6000円も多いという結果になってしまいます。
この辺は釈然としないものを感じるかもしれませんが
制度ってそういうものです。

●住宅にかかるお金の扶助

更新時の保証会社への支払
不動産屋への更新手続き料
火災保険の支払

これらは住宅扶助として実費が支給されます。
上限が年ごとに決まっており、東京都では住宅扶助上限額の1.95倍までです。
上限を超えた分は毎月の生活扶助費を貯金して何とかします。
※この金額は住んでいる地域によって変わります。
勿論、自分から言わなければ支給されませんので
申告してください。
気が利くケースワーカー様は
そろそろではないですかと言ってくれるらしいですが
私はケースワーカーさん側から教えてもらったことはありませんでした。
市町村によっても方針の違いなどあるかと思います。
※そもそも、ケースワーカーさんも担当地区がころころ変わります。
責めてはいけません。

●まとめ

以上、生活保護の賃貸住宅選びは
住宅扶助額以下の家賃&
管理費(共益費)なし&都市ガス
かつ、インターネット使用料無料
が最適解であり、理想です。

特に田舎は探すのが厳しいかと思いますが
プロパンガスなどは避けて
共益費のかからない物件を選べればよいでしょう。

とはいうものの、生活保護を受給する場合って
色々な経緯があると思います。
もし、生活保護をしばらく受給して
将来的に生活保護を脱出する気持ちがあれば
いくら住宅扶助が支給されるといっても
住宅扶助支給額上限ぎりぎりの
家賃の物件はお勧めしません。
生活保護を脱出したら、即引っ越し
とはいかないですからね。
将来を見据えるなら、家賃も安いに越したことは無いです。

そんなことも考えつつ自分に合う物件を選択するのが、生活保護の賃貸選びです。面倒かと思いますが、家賃は長期にわたる出費なので、妥協しないようにすべきです。

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