創作ブログの見分け方と創作ブログの功罪
このページをご覧の方には、ブログを読むのが好きな方も多くいらっしゃるかと思います。世の中にはそんなブログに混じり、アクセスを集めるために作られた『創作ブログ』という、フェイク、無根拠に書かれた『ブログ風創作物』が存在します。
これを創作ブログだと理解して娯楽として楽しんでいる方は問題ありません。
ですが、創作ブログだと判断できない人にとっては害になるのも確かです。
創作ブログを事実だと信じ、その人の判断に悪影響を及ぼします。
こんな実例がある!と参考にして、自分も○○できる!○○っていう考え方もある!と、根拠のないものを基に間違った判断をしてしまいます。
そうなってはたまらないので、読んでいるブログが創作ブログかどうかを、見分けられるようにはなっておきたいですね。
ということで、今回は創作ブログの見分け方を紹介し、創作ブログの功罪について私見を述べます。
創作ブログの見分け方
まず、創作ブログは何のために存在するのでしょうか?
ブログへのアクセスを稼ぎ、広告収入やアフィリエイト収入を得るためです。
その視点で見ると、創作ブログにはいくつかの特徴があります。
・記事間の矛盾
例えば、とある母一人、息子一人のシングルマザーブログに、この2つの記載があります。
『息子は毎年夏休みの宿題をぎりぎりまでやらない』
の後の日付の記事で
『息子は小学1年生』
という具合です。
毎年…というからには、お子さんは夏休みの宿題を何度か経験した小学3年生以上だと思っていましたが、小学1年生とはどういうことでしょか?
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お子さんは小学1年生を2回ほど留年してしまったのでしょうか。
他にもこんな記載があります
『息子と2人暮らし』
『今日はお姉ちゃんも用事で家にいない』
お姉ちゃんが幽霊になって家にいるけど、たまに用事があって姿を消すことがある、ということなんでしょうかね。戸籍上は2人暮らしということで、寂しい思いをされているかと思います。
私は、この家庭の状況に同情せずにはいられませんでした。ですがこんな感じだと、これを創作ブログだと認定する方が居てもおかしくありません。
もちろんこれを創作だと決めつける方が出るのはよくないので、該当ブログの紹介はしません。
創作ブログにはこのように、記事間の矛盾が散見されます。
事実に基づいた記載でないために、本人が設定を簡単に忘れてしまうんですね。というか、ほぼほぼ創作になってしまうと、もはや何が正解で何が不正解かわからなくなると思います。そして、PVを集めるために記事を書き続けるので、本人が設定を覚えている範囲でスローペースに書くということが出来ません。
下手すると前回の記事との整合性すら取れていないこともあります。
ですが、私みたいに記事間の矛盾を指摘できるほど読んだ人が出るということは、それだけPVも集めたでしょうから、創作ブログとして成功です。
・コメント閉鎖
創作ブログの大きな特徴として、コメントを完全閉鎖していることが挙げられます。
荒らし対策という意味もあるのでしょうが、一番は
『コメントで矛盾を指摘され、創作ブログだと書かれるのが嫌』
だからです。
もっと言うと、創作ブログだと分かっている人からのコメントが、創作ブログだと分かっていない人の目に留まるのを防ぎたいからです。
前述しましたが、創作ブログだと理解して読んでいる方と、創作ではなく事実だと信じて読んでいる方は全く別の志向をしていますよね?
創作ブログだと理解して読んでいる方は、少々の矛盾など気にせず、娯楽として読んでいます。一方事実だと信じて読んでいる方は、もし創作ブログだと知らされたら、そこで読むのをやめると思います。
と考えると、例えば創作ブログのコメントに
「創作にしてももっとうまく書けないの?矛盾酷すぎ」
「○○は●●って理由でありえない」
など書かれたらどうでしょうか?
ブログ主に共感し、応援していた人は、創作だと分かると白けて読むのをやめます。
これを避けるためのコメント閉鎖です。
・事件が多い、しかも不自然
例えば1か月に2回も3回も体調不良になったり、お金を落としたり、何かと事件が多いのも創作ブログの特徴です。アクセスを集めたいからこそ、記事になりそうな事件が毎日起こるという『設定』があります。そして、その事件についても、当事者がこんなことする?という感じの不思議な点が多く出てきます。
例えば「子供が熱を出しました」という記事があります。
そもそも子どもが熱を出した横でブログを書こうと思えるでしょうか?そんな余裕はあるのでしょうか?
仮に自分に子供が居て、毎日ブログを更新していたとしたら、「昨日まで子供が熱を出していました、更新できませんでした。」と事後報告すると思います。
酷いものだと、この時間にこんなことできるわけないよな…という、設定上の矛盾が見られる場合もあります。
書き手本人が一度も経験したことのない出来事が起こったことになっているため、細かい点がおかしいことに気が付けないんですね。
ただ事件が多いだけでなく、ブログ主の事件に対する取り組み方に、あれ?と思うものがあるのも創作ブログの特徴と言えますね。
・創作ブログの罪
創作ブログは言うまでもなく創作者の脳内フィクションなので、事実や事例だと誤解して、こういう人もいるんだとあてにしてはいけません。
しかし本当にあったことのように語る創作ブログだからこそ『こんなものを事実・事例だと誤解して、判断材料にしてしまう』方が出てしまうのも事実です。
例えば生活保護を利用した人の暮らしぶりが知りたくて、生活保護関連の暮らしに関するブログに行きつく方もいらっしゃるかと思います。仮にここに創作ブログが紛れても、これを事実だと誤解する人が一定数います。
そこで生活保護での生活として、半額に値引きされた寿司を買ったり、仕事をしない自分を肯定する『創作ブログ』があればどうでしょうか?『これが生活保護利用者の暮らしぶりなんだ』と誤解させたらどうでしょうか?逆に「生活保護の申請で惨めな思いをした」と、創作で書かれたらどうでしょうか?
生活保護を利用している当事者から見たら、創作で適当なことを述べられるのはたまったものではないことがわかります。
例として生活保護を取り上げましたが、別に創作ブログは生活保護に限りません。
ジャンルで言うなら、『婚活』『借金』分野に創作ブログが多くあります。その理由はアフェリエイト広告のシステムにあります。
アフェリエイト広告は、記事の内容や読んでいる人の嗜好に合わせて広告を表示します。
『婚活ブログ』であればマッチングアプリや結婚式場、『借金ブログ』であれば消費者金融や債務整理の広告が出てきますよね?これらの広告はどれも単価が高く、クリックして貰うごとに、創作ブログ主は多くのアフェリエイト収入を得られます。
創作ブログの功
悪い点ばかり挙げましたが、創作ブログにも良いところはあります。
娯楽としては成り立っているという点です。
例え創作ブログと分かっていても、読んでいて面白いブログはないでしょうか?登場人物が面白く、続きが気になったりしないでしょうか?私もいくつか「これは創作ブログだな」と思いつつも、面白くて読んでいるブログがあります。
創作だと分かって読む分には害はありません。
ということで、創作ブログを叩くつもりは全くありません。ただ、創作ブログというものがあるということをお伝えしたかった次第です。
この記事をご覧いただいた方には、創作ブログを創作と見抜いて、それでも楽しんでいただければ幸いです。