未だに染みついている時給650円時代の感覚【2021年最低賃金は28円UP】
2021年10月に最低賃金が全国一律で28円上がることになりました。最低賃金が上がることについて、色々な立場から賛否両論あるかと思いますが、私は最低賃金それなりに上がることについて歓迎です。
最低賃金水準で働いている人にとっては、1時間の価値が上がることになりますよね。私も最低賃金水準で働いていた期間は相当長いので、最低賃金については毎年チェックするようにしています。
そしてこの最低賃金=1時間の価値、という感覚を私はずっと持っています。
今回は私の金銭感覚についてお話ししようかと思います。
私が初めて時給というシステムで働いたのは、15年以上も前の話になります。
当時の私は、地方住まいの大学生でした。そこにあるコンビニでアルバイトした時の時給が650円です。
15年も前の話になりますが、結構少ないですよね。これは最低賃金とほぼ変わらない水準です。
2021年になった今、東京で1時間働けば1000円にはなります。
因みに私が大学時代を過ごしたところも、今では最低時給800円のラインに届くようになりました。
逆に言うと、15年くらいたっても大して時給が変わっていないあたり、日本はやばいとも言えますね。15年あれば最低賃金が1.5倍、2倍になるような国なんて、結構ありますし。
さて、例えば2000円くらいの服を買おうか考えるとしますね。
例えば時給650円の当時、2000円のものを買うなら3時間働かなければなりません。
このように、時給をベースにして
「今買おうとしているものを手に入れるために、〇時間働くようなことをしたいか?」
というのを自問自答するようになりました。
もっと言うと、働く内容もイメージして
「〇時間、レジを打ったり面倒なお客さんの対応をしたいか?」
とまで考えるようになりました。
だいたい1時間働いたら、それなりにめんどくさい業務もあったり、だるい作業もありますよね。
こう考えると、服とか見ているときに店員さんに似合ってますよと勧められても割と冷静になれます。だってそんなに働きたくないですし。
それでも納得できるなら買いますし、やっぱりいいやと考えたら買いません。
「〇時間働いても良いから欲しい」
「欲しいけど、〇時間働いてまで欲しくはない」
という具合です。
最近やっと1000円=1時間に感覚がアップデートされましたが、出費を時給で考える習慣は今でも変わっていません。
ランチなどをする時、○○を食べるために1時間働くか?と考えることもよくあります。そういう意味だと昔は650円、今では1000円が一つの目安になりました。
こんな考え方をするようになってから、お金を使うことに対してその都度考えるようになりました。
私は割とケチな方だと自分でも思っていますが、この「お金を出すのは自分の〇時間を差し出す行為」という意識が根底にあるからだと思います。
このように、最低賃金というのは私にとって行動を決定する指標になっています。
おそらく私は70歳くらいまでは、この最低賃金という指標で色々考えると思います。
いざという時に日雇いのアルバイトをしたり、仕事が無くなったらアルバイトでつないだり、70歳くらいまではアルバイトをするだろうからです。
これからも安定して最低賃金が上がり続けるのは難しいと思いますが、上がってくれなければ私の行動も狭まってしまいます。賃金が上がるのは、最低賃金を意識している私にとって、1時間働けば買えるものが増えるということですからね。
今後の最低賃金の見通しは不明ですが、私はこれからも「目の前のものを買うのに何時間働くか」という染み付いた感覚と付き合っていきます。