生活保護での生活

生活保護受給者の就労実態【生活保護受給者が働いていないというのは間違い】

こちらをご覧の皆様は、生活保護受給者というのは働いていない人と思ってはいないでしょうか?生活保護受給者が働かないというのは大きな誤解で、実際は一定数の『働く生活保護受給者』という存在があります。では生活保護受給者のうち、どれくらいの割合が就労し、いくら稼いでいるのでしょうか。働く生活保護受給者というものを統計で見て行きましょう。

要点
・生活保護受給者の就労率は25%ほど
・労働収入の平均は5万円です
・生活保護は『働けなくなったら』ではなく『困窮したら』利用する制度です。

目次
・生活保護受給者の就労者数
・就労生活保護受給者の労働収入
・生活保護受給者が働くことは不正受給ではありません
・まとめ

生活保護受給者の就労者数

生活保護を受給しながら、勤労している方はどれくらいいるのでしょうか?この割合が分かる統計があります。

被保護者調査 / 平成30年度被保護者調査 / 年次調査(個別調査)平成30年7月末日現在 被保護人員-平均年齢、級地・就労の状況・性・年齢階級別

このデータを基に表を作成しました。

まず単純計算で、生活保護受給者の8人に1人が就労しているとわかります。

これは10歳のお子さんや80歳の高齢者も生活保護受給者としてカウントした計算で、少し現実的ではありません。労働者として扱うのが適当なのは 20歳から64歳ではないでしょうか。そこで20歳から64歳の生活保護受給者うち、労働している方の割合で計算しなおします。

20歳から64歳の生活保護受給者は80万4千人、そのうち労働している方は20万9千人です。生活保護受給者のうち、労働している割合は4人に1人、となります。20歳から39歳に限れば、3人に1人が働いています。

どうでしょう?生活保護受給者に全く労働しないイメージを持っている方もいらっしゃるかと思いますが、まったくの思い込みだとご理解いただけたかと思います。

確かに割合だけ見れば、働かない生活保護受給者の方が多いです。ですが生活保護受給者には、障碍、疾患などの理由で、全く働けない方も含んでいます。勿論この統計には、障碍、疾患を抱えながらも働いている方も含んでいます。生活保護受給者も持てる能力に応じて働いています。

就労生活保護受給者の労働収入

では実際に、生活保護受給者の方はどれくらいの勤労収入を得ているのでしょうか?こちらも統計があります。

被保護者調査 / 平成30年度被保護者調査 / 年次調査(個別調査)平成30年7月末日現在 就労人員、就労の状況・基礎控除額・級地・就労収入月額別

このデータを基に表を作成しました。

この統計の性質上、正しい平均値を出すことが出来ませんが、例えば1万円~2万円を稼ぐ35461人が、1万5千円を稼ぐと仮定します。同様に2万円~3万円を稼ぐ21854人が、2万5千円を稼ぐと仮定…として、足していった総額を就労者数で割ると、求められる平均値は52740円です。平均してあまり多い収入では無いながらも、働いていることが分かるかと思います。

これはあくまで平均値なので、10万円以上稼いでいる方が平均を押し上げているとも言えます。ボリュームゾーンから見て、就労生活保護受給者はだいたい1~3万円前後を稼いでいる、という認識の方があっているかもしれません。非正規の時短アルバイトやパートといった働き方が主流です。

逆にこの表を見て、12万円以上を稼いでいるのに生活保護受給者とはどういうことなのか、という疑問が起こるかもしれません。例えば家族に障碍者を抱えていたり、子供が多い、同居の高齢者が無年金、など例え20万円を稼げても生活保護を受けざるを得ない場合もあります。生活保護とはケースバイケースの制度なのです。

生活保護受給者が働くことは不正受給ではありません

生活保護を受給しているのに働いて給料も貰って、おかしくないか?とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。勿論、生活保護受給者が働くにはルールがあり、具体的には就労で得た収入をきちんと申告すること(収入申告)が必要です。この収入申告を正しく行わない人が不正受給に該当するのであって、就労による収入がある生活保護受給者が全員不正受給者とはなりません。

そして、生活保護受給者が収入を得ると、その分生活保護費が削減されます。収入全部が削減されるのではなく、一部は就労控除として生活保護受給者に残るため、働き損ということもありません。上記の5万2千円ほど稼ぐ方を例にすれば、2万円に満たないほどの金額が手元に残ります。働かない場合と比較すると、次の図のようになります。

就労に応じて生活保護受給額も削減されていますが、働かない場合より手元に多くのお金が残ります。つまり生活保護受給者が働くことは、役所の生活保護費の削減と、生活保護受給者の生活向上になります。そのため生活保護受給者は働かなくても良いどころか、むしろ働くことを推奨されます。

因みに私も生活保護受給者時代に、月に3万円から8万円と幅が大きかったですが、就労による収入を得ていました。もちろん収入申告は欠かしていません。

まとめ

以上、生活保護受給者も能力に応じて働いているというお話しでした。もし『生活保護というのは働けなくなったら利用する制度』と認識されていましたら、『例え働くことが出来ても困窮していれば利用できる制度』と認識した方が実態を正しく捉えています。

個々人の事情によりますが、私は生活保護受給者でも働けるなら、能力に応じて働いた方が良いと思ってます。勤労控除の分、お金が手元に残って生活に余裕が出ます。何より、働かない限りは死亡以外で生活保護を抜ける可能性は非常に低くなります。

私も生活保護受給者時代に倉庫などでバイトをしていました。この経験が無ければ、私が生活保護を脱出するきっかけとなった施設警備のアルバイトも、おそらくこなせなかったと思います。人にもよりますが、働いていないと体力、精神力、判断力、軒並みボロボロになります。生活保護を脱出できる水準の仕事をこなす能力が無くなってしまうかもしれません。自分を保つためにも働くということは有意義です。

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