生活保護利用者は入園料が無料の動物園
障碍者や高齢者、お子様などに入園料無料という運用をしている動物園は多くあります。その一方で、生活保護を利用している方を入園料無料にしている動物園もあります。北海道旭川市にある旭山動物園です。
旭川市旭山動物園
旭山動物園は、北海道旭川市にある日本最北の動物園です。ホッキョクグマやホッキョクギツネなど、寒冷地の動物飼育実績があります。
入園料無料の扱いとする対象に、生活保護利用者も含めていることが明記されています。
入園の際に、生活保護受給証明書、または保護手帳を提示することで無料になります。
なぜ旭山動物園が生活保護利用者の入園料を無料にしているか、明確な理由はわかりません。ただ、公共が運営する施設と言うものは、運営元である市や区の裁量によって料金体系が決められます。
例えば水道料金を例にすると、生活保護世帯の水道基本料金は無料にするところと、減額にするところとあり、対応が分かれています。どう対応するかは水道の運営元である団体の自由です。動物園の料金も同様に、どう対応するかは運営元の市や区の自由になります。行政サービスの一環として、困窮している方の料金を安くするのも、一般利用者と同等にするのも、その市や区の考え方次第です。
動物園は、そもそも事情のある人にやさしい料金設定
生活保護利用者が明確に利用料金無料になる動物園は旭山動物園くらいです。しかし、生活保護を利用する事情のあるような方は別の理由から、かなりの割合で動物園の入園料無料になります。
動物園の料金設定は、一律ではありません。
・中学生以下(高校生以下)
・障碍者
・高齢者
に該当する方は、入園料無料と言う措置を取っている動物園が多くあります。なので、生活保護を利用している方は、結果的に入園料無料となる場合も多くあります。
生活保護世帯の半数を占める高齢者世帯は、多くの動物園を入園料無料で利用できます。育児が大変なひとり親世帯は、親自身の入園料は必要ですが、子どもの入園料無料で利用できます。精神、身体等の障碍で生活保護を利用している方も、入園料無料です。
こう考えると、生活保護を利用している方の7~8割ほどは、多くの動物園を無料で利用できます。
ここで入園料無料と言う措置を取るのは、上野動物公園や、よこはま動物園ズーラシア、などの公営動物園です。
公営の動物園に対して、那須どうぶつ王国や、東武動物公園など、会社が保有・運営している私営の動物園もあります。私営動物園は、特定の方に割引措置を取っているところはあっても、特定の方を無料にするなどの措置を取っているところはあまり見ません。
例外を挙げるなら岡山にある池田動物園で、私営にもかかわらず障碍者料金は無料です。ここは皇族の池田厚子さまが関わっており、利益を追求する気が全くないという個別の事情があります。
という感じですが、私営動物園でも高齢者、障碍者の方へ割引措置を取っているところは多くあります。動物園は事情のある方にとって、基本的に使いやすい施設と言えます。
また、いずれの事情にも当たらず、生活保護を利用している方は、生活保護からの脱却を目指してくださいというところでしょうか。
そもそも、公営動物園は大人料金でも1000円行かないほどの、良心的な値段設定になっています。動物の餌代、飼育員の給料などを考えると、入園料を2倍3倍にしてやっと黒字になるような動物園が多くあります。入場料収入だけでは赤字になるので、子供への教育や動物の研究という観点から、公費によって支えられています。
つまり公営動物園と言うのは、2000円が妥当価格であるところを、1000円未満で利用できるような素晴らしい施設と言えます。正規料金がそもそも安いと言う話になります。
動物が好きな方は、住んでいる場所の近くに公営動物園があれば、積極的に利用して生活に刺激と潤いを取り入れられると思います。