生活保護に関する考察

生活保護費を月に28万円貰っている人の実態と貰うための条件

日本における最後のセーフティネットである生活保護ですが、具体的にどんな支援が受けられるかは個々人で異なっています。

多いとは言えない生活保護費を受け取っている人もいる一方で

生活保護費が月に28万円、これはどうなのかという主張する人や
生活保護費が月に28万円、これでは少ないという訴える人もいまして

その前提としては、生活保護費が月に28万円であるという話もあります

生活保護費を月28万円受け取っている人も居るのは確かですが、どれくらいの人が当てはまるとお考えでしょうか?
生活保護費を月28万円受け取っている人の実態はどうなのか、貰うにはどういう条件があるのかを見ていきます。

動画にもしましたので、合わせてご視聴いただけると嬉しいです

目次
生活保護で月28万円貰うための条件
生活保護で月28万円貰っている世帯数
実際に生活保護で月28万円というのは多いのか、少ないのか

生活保護で月28万円貰うための条件

まずは生活保護費の決まり方についての話です。

生活保護で支給される保護費の金額は、生活保護世帯の年齢と人数と居住地域によって決まります

地域はどこに住むかによって、家賃含め1人3万円の差がつき、年齢も後期高齢者と中高生で、1万円近い差がつくことがあります。
と言っても生活保護費を決める一番の要因は世帯人数で、世帯人数が多い程生活保護費も多くなります。

そして生活保護の多数を占める単身世帯や2人世帯ですが、その世帯の生活保護費はどうやっても月28万円には届きません。
可能性があるのは3人以上の世帯、特に児童がいる世帯です。

都会、例えば東京23区や大阪であれば子供を2人抱えた3人以上家族の母子家庭を例に見ていきましょう

親が40歳と中学生の子供2人がいるという設定であれば

生活保護費の基礎的な金額部分、生活扶助額が158562円に加えて

母子世帯等で児童2人がいる場合の加算として23600円
学校の教育扶助として1人5100、2人分では10200円
児童を養育する場合の加算が1人につき10190円、2人分では20380円

これを足すと、21万2742円になります

ここから生活保護費が28万円に乗るのは、家賃の最大補助額が月67300円以上になる地域です。
これを満たすのは、東京都23区、横浜市、川崎市くらいのものです。
東京都23区では、3人世帯の住宅扶助が最大69800円で、生活保護費が月282542円になります

実は、児童2人がいる家庭であれば、夫婦そろっている世帯と片親世帯とで、生活保護費は大きく変わりません。
母子世帯等の加算が大きいです。

また、ここまでの説明で児童への加算でお察しかもしれませんが、仮に子供が3人以上の世帯であれば、生活保護費月28万円の条件をあっさりクリアできます。
ということで、生活保護費月28万円を実際に受け取っているのは子供が2人居る都会に住む一部の世帯、そして子供が3人以上居る世帯のうちの大多数と言えます。

生活保護で月28万円貰っている世帯数

生活保護で月28万円貰う条件を満たすには、都会であれば子供を2人抱えた3人以上家族の母子家庭、または4人以上世帯、地方であれば4人以上の世帯である必要があります。

その世帯数を求めますと、まず、生活保護世帯は2022年のデータを基にすると162万世帯です。
その中で生活保護費が月28万円を超えない、1人世帯が約135万世帯、2人世帯が約20万世帯です。
それをまず引くと残る3人以上の世帯は7万世帯しか残りません。
しかし3人や4人世帯でも、田舎在住か、子供の少ない世帯であれば生活保護費が月28万円にはなりません。

と考えると、実際のところ生活保護費が月28万円に届くのは4万世帯程で、生活保護世帯の内ほんの数%です。
生活保護利用者で見ても、大雑把に見て18万人程、利用者全体200万人の1割にも満たないです。

多くの生活保護世帯は、月に12万とか15万とかで生活しているのが実情です。

実際に生活保護で月28万円というのは多いのか、少ないのか

ここをご覧いただいている方も、生活保護費が月に28万円もあるなら十分では?とお考えの方ではないでしょうか。
しかし生活保護費が月に28万円では少ないと本気で主張する方もいらっしゃいます。

その理由をいくつか挙げます。

まず、他の人はみんなもっと良い暮らしをしているという思い込みからです。
元々就労経験が少ないまま生活保護に至った、社会感覚を持ち合わせていない人などにありがちな感性からくるものです。
どんな仕事をすれば給料がいくらになるか、という想像を全くしません

そして、単純にお金の使い方が下手だからということを否定できません。
例えば半額シールの貼られた高いお肉や刺身を買うということなどです。
元々が高いものは、半額になろうがそこそこ高いのです。しかし定価販売のもっと安いものには目もくれず、半額シールを貼っているというところだけを注目して買ってしまうのです。
他にも生活保護費が月に28万円では少ないと主張する人の家計簿を見れば、なぜそこにお金を使う?というものが満載です。

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