生活保護関連ニュース

大阪の殺人事件、生活保護を利用できていれば被害者は助かっていたのか

生活保護は日本における最後のセーフティネットです
そして、申請を受け付ける福祉事務所には
「生活保護の申請を拒んではならない」というものがあります

そして「大阪市内に住んでいた当時22歳の女性がゴルフクラブで複数回殴られ死亡」という事件があります
これは生活保護の申請にも無関係ではない事件でして
福祉事務所の対応に問題は無かったのか、一緒に考えてみたいと思います

元記事は以下の2つです

体重は33キロに減り、電気も水道も止められて…22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人」 被害女性の母親が語る「犯人の主張に絶望」「なぜ娘が…」

「申請が通れば娘は今も生きていたんじゃないか」生活保護の申請を受け付けてもらえず…22歳女性が死亡 母親らが市に申し入れ

動画にもしてみました
合わせてよろしくお願いします

事件の概要はこんな感じです

・大阪市城東区に住んでいたシングルマザーの女性は当時22歳
・夫からのDVとうつ病を患って働けなくなった
・籍を抜くと居場所を突き止められてしまう不安から、離婚をしていなかった
・娘を育てるため風俗の道に
・知り合いに勧められ違法薬物に手を染めてしまう
・治療を専門にする病院に連絡して、入院の手続きを整えていた
・母親は被害者女性を一度は引き取った
・母親の再婚相手が『薬物に手を出してる人間をうちで面倒見たくない』

という前提がありまして、被害者女性は『新しい旦那に気を遣っているお母さんを見たくない』と、家を出て行ったところから本編は始まります。そして

・被害者女性はひとりでマンションに住み、体重は33キロに減少
・部屋の電気やガスが止められている状態
・市に生活保護を3度申請
・城東区役所は申請を全て受け付けなかった
・理由1は夫婦関係が破綻していることが確認できないこと
・理由2は家賃が生活保護の扶助基準額を超えていること
・3回目の申請の際は、担当職員と母親が口論

口論を見た被害者女性は「生活保護って皆が一生懸命働いて納めた税金からでるんやんな。そんな大事なお金を自分みたいな人間のくずが使わせてもらえるわけないねん。だからもういい」と言い残し、区役所を後に
その後、中田被告が現れ中田被告の住むマンションに身を寄せるが、中田被告に拘束されたうえにゴルフクラブなどで複数回殴られ死亡しました

被害者女性の母親らは「生活保護が受給できていれば死亡せずにすんだ可能性がある」として大阪市に要望書を出した

というのが2つの元記事に記載された顛末です。

被害者女性の母親らは「生活保護が受給できていれば死亡せずにすんだ可能性がある」として大阪市に要望書を出したとのことですが
可能性で言えばそうなんですが、この被害者女性はDV男性や貧困を避ける生き方をするのが非常に難しかったんじゃないかと思いまして
生活保護程度の支援でどうにもならなかったんじゃないかとしか思えません

生活保護という金銭的支援以上に、人的支援が間違いなく必要なんですが
お母さまが娘よりも再婚相手を選んだ時点で
この被害者女性の選択肢は大きく狭まったんじゃないかと

酷い言い方しますけど
この被害者女性が、生活保護を利用できていたとしても
どこかのDV男に捕まるか、生活に関しての自制が効かないかで
最終的には同じ道を辿ったんじゃないかと思います。

しかし、例え結果がどうであったとしても
生活保護の利用を申請させないというのは間違っています。


生活保護を利用できるか判断するのも生活保護の審査の中で行うことです。

そもそも論で、福祉事務所は生活保護の申請の意思を示している場合は拒否できません。
申請を受け付けなかったのは福祉事務所の対応としては間違っています。

この事件をもって、改めて生活保護の申請について考えましたが
生活保護を申請する側としては
生活保護の申請は拒否できないという原則を覚えておき
福祉事務所にいろいろ言われるかもしれませんが
「それはそれとして申請します」
あなたは○○だから駄目ですと言われるかもしれませんが
「申請するので駄目なら審査で落としてください」
と立ち回れるのが理想です、なかなか個人としては難しいですね。

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