生活保護の夏季加算導入を改めて考える
夏が年々暑くなっているのを感じます
生活保護には冬季加算というものがあり、光熱費のかかる冬場は生活保護費に加算されます。
という事実を踏まえると、生活保護に夏季加算というものがあってもいいんじゃないかという声もありますね。
今回は、生活保護の夏季加算について、今後どうなっていくのか考えていきます。
動画にもしてみました
目次
夏の光熱費
夏季加算が実現されても、生活保護費は変わらない
結局働くのが一番の光熱費節約になる
夏の光熱費
まずは夏に夏季加算を導入することは妥当なのか
夏の光熱費の話をします
夏は、エアコンを使うため、電気代は冬ほどではないものの高くなる傾向にあります
代わりにガス代が下がり、光熱費全体としては春よりは高くなりがちです。
でも暖房も使ってガス代もかかる冬ほどは高くないというところに落ち着きます。
私自身の光熱費で言えば、8月の光熱費は5月ごろと比べ正直2~3千円は高くなります。
それを変動の範囲と見なせるか、夏季加算を導入すべきかと考えるかは意見の分かれるところだと思います。
夏季加算が実現されても、生活保護費は変わらない
夏は冬ほどではないにしろ、光熱費がかかるのは事実ではありますので
生活保護の夏季加算を実現すべきでは?という考えは正しいです。
が、この主張をする人の中で、生活保護利用者の大多数は
生活保護費がトータルで増額されるという幸せな未来を
無根拠に妄想しているように見えます。
ちょっと考えれば分かることですが、そんなことはありません。
何故なら、今の生活保護費において光熱費分の算出方法は
春も夏も秋も、要は冬か冬じゃないかで考えられており
冬以外は春夏秋の平均をごちゃまぜにしているからです。
夏季以外の冬でもない時期の生活保護費の求め方が
春夏秋の平均から、春と秋の平均になれば
少し光熱費がかさむ夏は別の扱いになり、除外されるので
夏季以外の時期の生活保護費は下がります。
夏季の生活保護費の増額分は、夏季以外の生活保護費の引き下げと等しくなります。
それがわかっているなら何も言うことは無いのですが
夏季加算の創設の先に生活保護費の増額を期待しているような意見を見るたびに
どんな世界を夢見ているのだろうかと非常に心配になります。
結局働くのが一番の光熱費節約になる
話を戻しまして、夏の光熱費は冬ほどかからないという事実に違和感を覚える人もいるんじゃないかと思います。おそらくですが、1日中家にいる人にとっては、夏は冬並みに光熱費がかかるのではないでしょうか。
夏は、昼が暑いので光熱費がかかります。
冬は、夜が寒いので光熱費がかかります。
この違いが、夏と冬の光熱費の違いの一因でもあります。
そして一般の方は、昼は仕事などで外出しているため、そこまで光熱費がかかりません。
合わせて生活保護費の算出というのは、この一般の方の光熱費を参考にしています。
なので、夏は光熱費が少額、冬は光熱費が高額という傾向になります。
1日中家にいるなら、夏は冬並みに光熱費がかかってもおかしくありません。
それを踏まえると、働くなどで外出し、家に居ないことが一番の光熱費節約になります。
働けないというなら障碍者加算や母子加算などでなんとかなる筈、
と言いたいですが、働けない人のすべてを加算で拾いきれているかどうかは
生活保護制度としての課題だと思います。
まとめ
という感じで、私は
生活保護制度に夏季加算を期待する声はあるものの
夏季加算を導入するというのは現実的ではないように思えます