生活保護からの脱出

老後に生活保護を再び利用する可能性が高くとも、生活保護を抜けるために頑張る意義とは

最近、年金定期便を受け取りました。


私が現在確定している年金額は月額3万円です。今のペースで仕事を続けると仮定して、受け取れる年金は月額10万円くらいの見込みになります。仮に、もう少し給料が増えれば11万円くらいにはなるかもしれません。


逆に、もし現在生活保護を利用して、国民年金になり年金の納付を免除され続けると、給付される年金は月額5万円くらいに落ち着きそうです。最低でもこの金額になることはほぼ確定です。

ということで、私の年金額は月額5~11万円の間に落ち着きそうです。大分先の話なので振れ幅が大きいですね。

ここで、生活保護を利用中の方や生活保護に詳しい方は、こんな感想を抱かなかったでしょうか?

「将来貰える年金額が、どうやっても生活保護の受給額より少なくないか?これだと老後も生活保護を利用することにならない?」

さて、改めての自己紹介ですが、私は元生活保護利用者で生活保護利用歴は3年半です。

私のこの経歴と、将来の年金額を比較すれば、生活保護を抜けた意味ってあるのとお考えの方もいらっしゃるかと思います。その考えに至るのも当たり前です。

と言う前提で、年金額から逆算すると老後も生活保護になる可能性が高くても、それでも生活保護を抜ける、もしくは生活保護を抜けるために活動する意義について考えていきます。

なおお断りとして、今回のお話しは生活保護を利用しているのは勿論「そもそも創意工夫すれば生活保護を抜けられる可能性が5~10%程度はある方」を想定しています。

目次
・もしかしたら結婚や親の資産を相続するかもしれない
・生活保護にはいつでも戻れる
・生活保護制度がこのまま続く保証はない
・まとめに代えて

・もしかしたら結婚や親の資産を相続するかもしれない

可能性の話ですが、人生何が起こるか分かりません。

親の遺産相続については、なんとなく自分がどんな感じになり、いくら相続するか目算が出来ると思います。そもそも相続の仕組みを理解していないという方は、知っておいて損はない知識なので、図書館にでも行くことをお勧めします。

例えば、生活保護を抜けるまでは至らなくても、月に10万円程をアルバイトや動画配信などで得られるように試行錯誤したとします。

その状態で相続があれば、持ち家を相続+月に10万円のアルバイト収入や、1000万円相続したので、運用で年間40万円の配当所得+月に10万円のアルバイト収入という未来もあり得るわけです。こんな展開になれば、生活保護を利用しなくてもそれなりにやっていける方はいるでしょう。展開次第ですが、生活保護より楽しく生きられるかもしれません。

こんな時に、生活保護を利用し、全く稼ぐための試行錯誤もしていなければどうなるでしょう?相続したものを遅かれ早かれ食いつぶすことになります。

また、結婚については語るまでも無いですね。

相手の方次第ですが、結婚を機にいきなり生活保護を抜け出すことになるかもしれません。その際に、自分の状況が全く働いていないか、アルバイトで5万円程度稼いでいるかは、無視できない差になります。

ここまでは相手に依存する例を挙げましたが、自分主体であっても人生何が出来るか分かりません。例えばYoutubeやブログで成功して広告収入を稼げるようになったり、生活保護を抜けた際の株の運用で大当てするかもしれません。

と言うことを踏まえると、人生何があるかわかりません。そして何かあった時にチャンスをつかむために、若しくは機会を無駄にしないために、生活保護を抜けるために創意工夫した方が後悔する可能性は少なくなります。


ただ、結構な年齢になって親戚も全くいない状態になって、人生の可能性はほぼ無いという状況にある方もいらっしゃいます。そんな方に、人生何があるかわからないから頑張った方が後悔しないと無邪気に言うつもりもありません。

こんなことを語っている私も、生活保護を抜け出したときは20代だったので、人生何があるかわからない、つまり振れ幅が大きい状態だったのは確かです。同じことを50代、60代の方には言えません。

・生活保護にはいつでも戻れる

現代日本において生活保護はある種の特権階級になっています。

なので、この特権を手放したくないという気持ちをお持ちの方がいらっしゃることに、理解も共感も出来ます。

ですがこの特権階級は誰しも保証されているものです。生活保護を抜け出したものの、1回抜けても再び生活保護に戻ってくる方が半数くらいの割合でいます。裏を返せば、生活保護に戻っていく方がこれだけいるということです。

東証上場企業のように、会社を辞めたらもうその会社には戻れないというのとはわけが違います。

と言う前提があるので、生活保護という権利を手放したような気になっても、それは気のせいです。別にそれはそれで良いんじゃない?という考え方です。

・生活保護制度がこのまま続く保証はない

生活保護制度は、日本の経済発展とともに手厚いものとなりました。
逆を言えば、国家の財政に余裕が無くなることで、50年ほど前の制度に衰退する可能性もあるわけです。

日本は石油を中心に、原料や農産物、工業製品を海外から輸入しています。その代わりに工業製品も輸出したりしてはいますが、近年では輸入の方が多くなっています。ただ、過去の栄光で海外に持っている金融資産が非常に大きく、金融資産の運用益をアメリカなどの海外から吸い上げることで、外国との収支を何とか黒字にしているという状況です。

これからどんどん高齢化が進む日本において、海外への輸出は減り、他国の経済成長に伴うインフレで輸入額は増加します。つまり、日本と言う国そのものに稼ぐ力がない以上、これからは衰退する一方になります。

そして、氷河期世代がこれから10年~20年ほどかけて年金受給世代に移行します。言うまでも無いですが、この世代は上の世代と比べて非正規雇用が多く、受け取る年金額もそれに応じたものになっています。それを補填するために生活保護を利用する人が激増するという予想は、大分前から言われていますね。

と言った形で、日本経済が衰退し、人口も減少する中生活保護利用者は増える状況を鑑みると、あの手この手で生活保護費を削減される可能性もあります。

将来的に、生活保護制度がこのまま利用しやすい制度のままなのかは、疑問が残るところです。
※利用しやすい制度かどうかは、私個人の感想です。

例えば、単身世帯の家賃の上限を東京都区部でも現在の5万3千円から3万円にして、「家賃が払えない?じゃあ家賃2万円のアパートとかある高知県や大分県に行けば大丈夫。そもそも千葉県にも家賃3万円くらいのアパートあるじゃん。」という政策が始まるかもしれません。

また、現在は70歳、75歳の方が働くのは、珍しいどころか当たり前の光景になってきました。70歳、75歳までも現在の現役世代並みの就労指導が入るかもしれません。

世間一般の年金受給額が減っていくことで、それに連動して生活保護費が減額されるかもしれません。月額7万円程度の生活保護費になっても何も不思議はありません。

この月額7万円と言うのは、特に氷河期世代に覚えの悪い竹中平蔵氏が発言したベーシックインカムの金額からです。これでどう暮らせる?と聞かれても、地方の公営住宅って低所得者層向けの家賃設定額が1万円割ったりするので、残り6万円を生活費だとすれば生きていく程度は暮らせてしまいます。医療費別とすればですが。


東京ではこんな金額で住めない!と言われても、東京で暮らすことが自立の助けになっていますか?何か合理的な理由がありますか?ということで、別に東京住まなきゃいいじゃんという運用になるかもしれません。月額7万円は日本のどこかで生活する最低限度の金額ですと言われれば、全く突拍子もない数字でもありません。

と、悪い想像を働かせました。一応のおことわりですが、上記はあくまで想像と可能性の話です。全てが何かしら悪くなるとも言えませんし、極端な例ばかりでもありません。ただ、生活保護制度の手厚い支援が無くなっていく要素は山のようにあります。

なので、現在では生活保護を抜け出す意義が無くても、将来的に生活保護制度の構造破綻により生活保護の質が下がれば、月額10万円程のアルバイトをして生活保護を抜け出した方がマシな状況が来るかもしれません。

・まとめに代えて

以上、私の考えとしては、『生活保護制度は今後どうなるかわからないし、人生も何があるかわからないし、そもそも生活保護には戻ろうと思えばいつでも戻れる。』です。

仮に生活保護を抜けた時は、生活保護よりも収入は多いはずなので、その時は好きに生きれば良いです。その時はその時で楽しんで、また老後に生活保護を利用することになってもいいんじゃないでしょうか。

なので難しく考えず、生活保護を抜けて、上手くいかなかったら生活保護に戻るという考え方で良いと考えています。

もちろん、これまでの人生を鑑みて、どう工夫しても一時的に生活保護を抜けることも出来そうになく、生活保護を利用し続けるしか選択肢が無ければ、無理に頑張ることもありません。ただ「あの時頑張っておけば良かったなあ」と自分が思ってしまうタイプであれば、頑張っておいた方が後悔はしません。

付け加えますが、生活保護を抜けようと意気込むのも良いことですが、今後の自分の前に現在の自分のことも考えて下さい。休むべき方はしっかり休みましょう。

ということで、紆余曲折あり生活保護を一度は抜けた私ですが、何も準備をしないと、老後に再び生活保護を利用することになります。

それを避けるための私なりの老後戦略として、年金月に10万円と、株式の配当金月に10万円、合わせて月に20万円で老後生活できるかなと言うところを目指しています。それに加えて持ち家があれば、問題なく暮らしていけるかなと考えています。

この状況に持っていくためには、65歳時点で株式で3000万円、あとは持ち家を地方都市で500万円くらいで手に入れられるかどうか、という結構高めな目標があります。

合わせて目標3500万円といっても、今の状況なら出来なくもない感じです。

私の生活費は生活保護費で賄えるレベルを5年間超えておらず、超えるつもりもないので、純粋な生活費は月11~13万円です。(ふるさと納税や株主優待で、年間5万円程度は美味しいものを食べたりはしていますが)なので低収入ですが月に5~6万円、今後も年間にして60万円は資産形成に回せそうです。

それを踏まえて株をせっせと買い、複利で運用することを考えれば、65歳までに3500万円を貯められるかは五分五分と言った感じです。

要するに人生何があるかわからない、だから資産運用に成功するかもしれないという考え方です。

こんな感じで生きている奴もいるので、生活保護を抜けて老後に生活保護を利用しないことを目指しても良いんじゃないかと言う話でした。

特に、人生にまだまだ可能性を残している方、人生の前半に頑張り、そこそこの年金受給額を積み立てられている方は、ここで創意工夫して生活保護を抜け出す労力とリターンについて、冷静に計算することをお勧めします。

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