農協に就職し辞めるまでの話【ノルマ・パワハラ・サビ残すべてがここにある】
今回は転職、アルバイトを繰り返した私視点で
農協(農業協同組合)の仕事内容と退職までの流れをお話します
新卒で入組(入社)し、2年ちょっと勤務しました。
ネガティブ要素の強いお話ですので
あらかじめご了承ください。
また、仕事内容と言いつつ
愚痴が多いことを謝罪しておきます。
農協の仕事内容
農協は
信用事業(貯金)
共済事業(保険)
経済事業(様々な商品の販売)
の3事業から成り立っています。
信用事業:
貯金の入出金や定期貯金の作成など
主に銀行の窓口をイメージしていただければよいです。
共済事業:
窓口で共済の契約や
料金の支払いなどを受け付けます。
共済についてノルマがありますが
農協の店舗でじっとするだけでは契約数が伸びず
到底ノルマを達成できないので
自分から担当区域を営業に回ります。
経済事業:
農薬や肥料なども取り扱い
お客様からの依頼があれば届けたりします。
また、農業の支援なども行う事業です。
農協=金融機関というイメージが薄い方は
この経済事業=農協というイメージに
なるかと思います。
ここまでが農協共通の基本構造で
農協によっては介護事業など
色々展開しているところもあります。
また、農業部門が強いか
金融部門が強いか
農協によって全く異なります。
売れる農産品が無く農業部門が弱いと
金融部門で補う必要があるため
ノルマが多くなる傾向にあります。
農協の「目標」という名前の「ノルマ」
農協の扱うものは
定期貯金
共済(保険)
年金の振込先口座
公共料金支払い口座
クレジットカード
旬鮮倶楽部(ギフトのようなものを1年間定期購入)
家電製品
などなど、紹介しきれませんが
それぞれノルマがあります。
保険を専門に扱う方などから見れば、
農協の共済ノルマ自体は
厳しい数字ではないかもしれませんが
「共済」と「家電製品」という
商品としての性質が大きく異なるものを
一緒くたにしてノルマを課すのが農協の特徴です。
農協のノルマ未達成者は詰められる
さて、このノルマ達成について
どうすれば達成できるか
具体的なノウハウは誰も教えてくれません。
というか、ノウハウを持っている人など居ませんでした。
少なくとも私の勤務していた支店では
ノルマが達成できないときも
「頑張れ」「やれ」としか言いません。
「何を」やれば、頑張ればいいのか全く分かりません。
ノルマが達成できない場合は
親戚友人知人に泣きついたり
自爆して補填する文化でしたので
こうすればお客様が契約してくれる
こんな活動をして結果を出した実例がある
といったノウハウは蓄積されていませんでした。
そして、ノルマが達成できなさそうな人は
応接室に呼ばれて
支店長と次長を下座に座らせた状態で
お話をされます。
要はただのお説教と
いつまでに出来るかという詰めです。
彼らは自爆や親戚友人知人に泣きつく以外の
具体的な解決策を
提示することはできません。
このくだらない応接室でのやり取りで使った時間…
その時間をお客さんへの訪問に使った方が
普通に有益です。
馬鹿らしいことこの上ありません
ですが、考え方を変えてみましょう。
自爆させて職員から契約を取れば
支店でのノルマを達成できますので
3人で1時間の何にもならない話をし
合計で3時間の無駄と思える時間を設けても
職員の自爆契約からの利益で
農協的にはお釣りが出ます。
よくできた営業システムですね。
ノルマを達成できない私に根本原因があるのですが。
支店長や次長であっても
自爆という解決方法しか思いつかないので
彼らを責めるのも何の解決にもなりません。
彼らももちろん自爆しています。
偉い人たちの通帳を窓口で記帳するとき
手取り金額と自爆の痕跡を目にして
非常に心が痛みました。
ノルマが課せられることで有名な業界は
多かれ少なかれこういった詰めがあるかと思います。
私も旬鮮倶楽部など、知人にお願いして自爆したようなものです。
辞めた今となってもノルマに協力してくれた方には頭が上がりません。
サービス残業はもはやどうでもいい
農協ではサービス残業もありました。
そもそも、10年前の時代ですが
タイムカードが無い職場でしたからね。
営業時間内では仕事が終わらない
というか、ノルマが達成できないので
サービス残業をして客先訪問をしていました。
そして、この仕事は
お金をきっちりと合わさなければなりません。
お金が計算結果と1円でも合わなければ
支店中を捜索します。
支店のメンバー全員で2時間残って
やっとお金を合わせた時
そんな時も残業代は出ません。
まあ、はっきり言ってしまえば
ノルマのことで頭がいっぱいで
そんなものに関心もありませんでした。
農協を辞めた引き金
こうして2年半ほど働きましたが、
ノルマやだ…できない…
自爆むりぃ……
辞めたい辞めたいと考えていたある日のことです。
ATMで暗証番号がわからずに
困っているおじいさんが居ました。
話を聞くと、3回試してみて分からなかったとのこと
私の勤めていた農協のキャッシュカードには
間違っても大丈夫な上限回数(4回)があり
その回数を超える(5回連続で失敗する)と
カードそのものが無効になり
新たにカードの再発行をしないといけない仕様でした。
カードを見せて貰き、照会してみると
確かに3回暗証番号を間違えていました。
お客さんにとっても手間ではありますが
暗証番号の照会申込書に記入してもらい
免許証などの本人確認書類とともに出してもらい
暗証番号を伝えようと思いました。
※今もこのように、農協の窓口で
即照会できる運用であるかどうかはわかりません。
また○○農業協同組合、農協○○など、
○○の名前が違う農協は全くの別組織です。
○○銀行、◆◆銀行が違う組織というのと同じ理屈です。
農協によっても運用方法は異なるかと思います。
それを見て横から割り込んできた係長
そのお客さんは係長の担当区域にお住いの方で
係長と面識がありました。
とりあえずATMで試してみようと
係長が案内します。
そんなことをしてカードがロックされ
再発行になったら
カードが届くまでATMが使えなくなってしまうのですが
まあ、1回だけなら間違えても大丈夫だし
いいかな、と、嫌な予感を抱きながらも
1回間違えたら絶対に止めてくださいねと
お客さんと係長に伝えました。
数分度、ATMには暗証番号を2回間違え
無言で立っていた係長とお客さんが
「このキャッシュカードは利用できません」
と映る画面をじっと見ていました。
このキャッシュカードは
連続5回の暗証番号相違で見事使えなくなり
ただのICチップ内蔵プラスチック板になったのです。
めでたしめでたし………
とはいかず、係長は私をやり玉にあげました。
曰く、私が係長にきちんと説明していない
と言うのですが
説明したんですけどね。
暗証番号5回以上間違えたらダメで
今3回間違えてるから
間違っていいのはあと1回だけだと…
私の話を聞かずに勝手に立ち回った係長が
どういう理屈か私のせいにしている
理解に苦しむ光景でした。
という経緯で
この人と一緒に働きたくはないな…と思い
ボロボロだった私の心が
この件でぽっきり折れました。
帰宅したその日のうちには
退職届を日付未記入で作成し
どのタイミングで退職するか、計画を立て
数か月後に退職しました。
(すぐ辞めたかったけど、やっぱりボーナス欲しいしなあ…)
辞めるにあたり、私の失敗経験を・・・
有給を使い切るという発想が
全くありませんでしした。
早く逃げたいという気持ちもありましたし
ノルマ達成できないのに休むの?
みたいな職場でしたので
そもそも有給を使うという発想が無かったです。
有給分の給料…金額にして20万円弱を
ドブに捨てたのが悔しいです。
今なら間違いなく有給完全消化して退職します。
まとめ
こうして退職したのち
しばらくは失業保険を貰い
解約した共済の返戻金と
貯金を切り崩す生活をしました。
10年たった現在
まだ残っている同期に連絡をとったところ・・・
同期は8割弱辞めていました。
何かの想いがあって農協
またはノルマありありの職場で
働きたい方を否定する気はありませんが
自分に向いている仕事内容なのか
しっかり考えて決めたいところです。
逆に残った2割にとっては
向いていた職場だったということですからね。
向き不向きがあるというお話です。
悪いことばかり挙げましたが
今振り返ると良いところもありましたので…
農協に勤務していて良かったことも
改めてまとめたいと思います。
以上、私の数多くある失敗談でした。
今考えると、就活時にもっとしっかり情報収集をし
自分の性格について深く考えれば
よかったと思っています。
特に新卒での就職活動をして
このページを見ている方がいらっしゃれば
本当に、やりすぎるくらいに情報収集しましょう。
どの仕事にも、良い面
悪い面があるかと思います。
肝心なのは、悪い面を
自分が許容できるかどうかだと思います。
この失敗談も、職選びなど、なにかの参考になれば幸いです。