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例え生きる価値が無くても生きて良い理由【生活保護・ホームレス】

DaiGoさんの「生活保護、ホームレスは社会に要らない」という発言を受け、生きることを否定された気になる方がいらっしゃるかもしれません。そんなことはなく、日本においては生活保護でもホームレスでも生きる権利が認められています。

目次
・生存権がある
・幸福追求権がある
・生存権は社会の安定
・優生思想はほぼ全員が切り捨てられることになる
・まとめ

生存権がある

日本国民は、そもそもとして生きる権利があります。

日本国憲法第25条第1項に、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとあります。

もちろん大前提として、生きていなければ健康で文化的な最低限度の生活もあり得ませんので、生きる権利も保障されていると言えます。

幸福追求権がある

日本国憲法第13条に規定される「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」があります。

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とするという内容です。

つまりは人に迷惑をかけない大前提のうえで、思うように行動すれば良く、生きたいと思う限りは生きる自由があります。

死にたいと思っている人まで止めるつもりもありませんが、死にたいと思っていない人が周囲の空気に流されたりして死ぬことも無いです。

自分の思うように生きましょう。

生存権による社会の安定

仮に生存権が認められず、生活保護やホームレスが生きてはいけない社会になるとどうなるでしょうか?

勿論、生活保護やホームレスは生きてはいけません。

そして、生活保護やホームレスになるかもしれない人の問題でもあり、そうなる可能性は誰にでもあります。幾ら健康であっても、事故により働けない人になってしまうかもしれません。新型コロナのような病気で、働けない体になるかもしれません。

そこで生きることが認められず、自分の面倒を見られないなら生きていけないような社会で生きていたいでしょうか?

万が一が起こると生きるのを認められない、そんな社会は嫌すぎるので、逃げられる人からさっさと海外へ逃げます。

また、海外に逃げないとしても、いざ働けなくなった時に備えてお金をいっぱい貯めることになります。稼いだお金は最低限の消費だけに使い、後は貯金することになります。そうなると社会全体が回りません。

ということで、生存権を認めず、弱者を切り捨てれば国として衰退します。働けなくても生きることを認めることは、社会の安定につながっています。このことから生存権、つまり無条件で生きて良い権利は社会にとっても必要だとわかります。

優生思想はほぼ全員が切り捨てられることになる

命に優劣をつけ選別する「優生思想」があります。優れた人だけを残そうという思想です。

その優生思想に基づき、生活保護やホームレスを切り捨てることに賛成の方もいらっしゃるかもしれません。仮にそうなった場合のことを考えてみましょう。

結論としては、次に新しい基準で切り捨てられる人が現れ、それを繰り返した結果、極一部の人以外は全員切り捨てられることになります。

たとえ話として、100万人集まって、その中から毎日、下位1%を要らない人として切り捨てるとします。これを1年繰り返すとどうなるでしょうか?

1年後に残れるのは2万5517人になります。

99%を365日分乗算して
0.99^365 = 0.0255179645
これを100万人に掛けた結果です。

毎日たった1%の劣っている人を切り捨てていくだけなのに、これを1年繰り返すと2.5%しか残らないことになります。

同様に、これをもう1年繰り返すと651人になります。100万人のうち、最後まで要る人と判断される側の人はたったの651人なのです。

もちろんこれは極論ですが、現代社会に当てはめると、生活保護やホームレスを切り捨てた後のことを想像できます。次は離婚して養育費を支払わない者、アルコール・ギャンブル依存症を切り捨て、次に年収200万円以下の低所得者を切り捨て、と段々社会から切り捨てられる『要らない人』に当てはまる人が増えます

要するに、要らない人を切り捨てるということをすれば、要らない人の基準が上がり、要らない人に当てはまる人がどんどん増えるという話です。その時その時では、要らない側の人は少数派なのですが、突き詰めると多数派が切り捨てられます。

要らない人というのは絶対評価ではなく相対評価ですので、例え自分が非常に優れていても、残っている人が自分より優れているなら自分も要らない側の人になります。例え年収2000万円あって世間一般ではエリートであっても、年収10億円の人から見れば、いずれ社会の足を引っ張る要らない側になります。テストで95点取れたとしても、平均点が99点なら足を引っ張る側になるのです。

ということで、優生思想は大多数の人にとって『自分は要らない人です』という結論に至る思想です。よっぽど自身の能力に自信がある人でなければ、中学生までにこの考え方は卒業しましょう。

以上、優生思想ははっきり言ってバカみたいな思想なので、気にしなくても構いません。他人より劣っているからと、生きることを否定する必要も無いのです。

もちろん優生思想を貫くのも個人の自由ですが、ZOZO前澤さん、ソフトバンク孫さん、ユニクロ柳井さんレベルの圧倒的強者でないのなら、優生思想を突き詰めるといずれ淘汰される側になるのは頭に入れておくべきです。

まとめ

以上、日本においては憲法によって生きる権利が保障されていますし、『○○は生きていない方が良い』という意見も無視していいものです。犯罪を犯すのは論外ですが、思うように生きましょう。何も問題有りません。

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