奨学金の返済が厳しい場合にはどうすれば良いか【減額・猶予はあっさり認められました】
人生は順調な時ばかりではなく、時には躓いてしまうこともありますね。進学時に借りた奨学金の返済が厳しくなり、どうすれば良いか途方に暮れることだってあるかもしれません。実際に私も困窮し、奨学金の返済に苦しんだことがあります。そこで今回は奨学金(学生支援機構)の返済が厳しくなってしまった場合の立ち回り方についてお話しします。
目次
・奨学金の減額返還制度
・奨学金の返還期限猶予制度
・節約する
・他にも免除、減額できるものが無いか考える
・収入を増やす
・繰り上げ返済について
・まとめ
奨学金の減額返還制度
とりあえずはこの『減額返還・返還期限猶予リーフレット』を見てみましょう。制度についてしっかり理解するのは基本です。
奨学金の返済が苦しいほど収入が少ない場合、奨学金の減額返還制度を利用することが出来ます。1回の書類提出毎に、2~12ヶ月、自分の都合に合わせて減額期間を設定できます。
この『収入が少ない』の目安は、給与所得で年収325万円以下、給与所得以外の所得があるなら年間所得225万円以下です。手取り20万円くらいで、ボーナス無しの方なら普通に当てはまると思います。
あくまで目安であり、さらに特別な事情があればこの目安を超える収入があっても認められる場合があります。生活保護まで経験している私の肌感覚ですが、『年収300万あっても減額申請ってやって良いんだ…』という感じです。
『減額』されるのはあくまで月々の返済額になります。減額された分、返済期間は延びます。返済期間10年のものを、全て半額に減額するなら返済期間は単純計算で20年に伸びます。返済総額が減額されたりするわけではないので、誤解のないように気に留めておいてください。
因みに、1種奨学金と2種奨学金を併用している場合には、『利息の発生しない1種奨学金のみを減額返還し、2種奨学金はこれまで通りに返還する』ということもできます。
奨学金の返還期限猶予制度
月々の返済額減額すら難しい場合は、奨学金の返済を猶予してもらうこともできます。
奨学金返済猶予の承認目安は、給与所得で年収300万円以下、給与所得以外の所得があるなら年間所得200万円以下です。猶予願は1年分まで申請でき、期限が来て状況が思わしくなければ猶予願の再提出、通算で10年猶予することが出来ます。
私も生活保護を利用していた時期は返還を猶予してもらっていました。さらに、生活保護を抜け出して1年以上は、奨学金の返還を止めていました。生活保護を抜け出してすぐの時も、返還できなくはなかったのですが、貯金が全くなかったのでちょっと待ってもらったというのが実情です。だっていざという時に貯金が無いと、あっさり詰んでしまいますし。
当然ですが、生活保護利用中でも返済猶予を利用できます。生活保護利用期間は10年までの猶予期間ではなく、生活保護を抜け出すまでずっと猶予されます。
あくまで『猶予』ですので、奨学金の返済額が少なくなることはありませんが、『問題を先送り』することで一息つけます。
節約する
ここからは、減額返還や返還猶予をお願いした後の話をします。
結局のところ、奨学金はどこかで返す、もしくは借りっぱなしのまま亡くなるまで持っていくかになります。ですので、返済資金を用意できる環境を整えることも必要になります。節約をして支出を減らすか、収入を増やすかしなければ、奨学金に悩まされる状況は続くでしょう。
一旦減額返還や返還猶予をお願いし、一息つけるようになったら、根本原因の『奨学金返済に回すお金が不足している』状態をなんとかしましょう。
ということで、家計を見直しする余地は無いでしょうか?
面倒だからと手を出していない節約は無いでしょうか?
因みに私がやっている節約?はこんな感じです。
・自炊
・楽天モバイル等で通信料の削減
・元本保証の養老保険(年末調整時の生命保険料控除)
・ふるさと納税
・買い物にはメルカリチェック、本などはメルカリで中古があればそれで購入
ここからはそれなりの覚悟が必要ですが、こんな選択肢もあります。
・家賃の安いところへ引っ越す
・実家に帰る
・シェアハウス、シェアルームする
・車を処分する
やれることから手を付け、少しでも家計収支を改善させておきましょう。
他にも免除、減額できるものが無いか考える
奨学金返済を減額、猶予してもらう様な状況下であれば、他の支払い、納付についても減額、猶予してもらう余地があります。一度、自分が支払っているものなどを見返してみましょう。
国民年金は所得に応じて減免制度があります。国民健康保険料、住民税に関しても、生活が苦しい場合は申請によって減額、猶予が行われます。
奨学金の返済を止めて、他にも免除・猶予できるものはお願いして、それでも収入が1ケタ万円台で打つ手なし…という状況であれば『生活保護』という選択肢もあります。どうしようもなくなったら遠慮なく利用してよい制度ですので、いざという時の選択肢には入れておきましょう。
収入を増やす
奨学金返済を滞らせている原因が、今働いているところで収入が少ないせいであれば、手っ取り早いのは休日を使って単発などのアルバイトをすることです。
例え、就業先でアルバイトが禁止されていても、もし自分の立場が非正規雇用であったり、具体的に転職を考えている(1年以内で辞める)のであれば、別にためらう理由はないと思います。非正規雇用であれば会社のことなんて考える必要はありませんし、転職予定なら、アルバイトがバレる頃にはその会社に在籍していないでしょう。
そんなもの、すぐにバレる、と思うかもしれませんね。確かに接客業などであれば、そこそこの確率でバレます。すぐにバレるのを避けるためには、接客業は避け、倉庫内作業などがお勧めです。
発覚するのは住民税の関係からですが、給与の発生と住民税の支払いにはタイムラグがあります。給料が入った時から計算して、翌年の5月までは、他で給料を貰ったことはバレません。
住民税を確定申告の際に普通徴収にすればバレない、という話もありますが、徴収方法をどうするかは地方自治体の判断にゆだねられ、確実ではないのでお勧めはしません。
ということで、住民税の関係でアルバイトはバレますが、今すぐにバレるという可能性はたいして高くありません。会社に忠誠心が無ければ、バレたって別にどうという問題もありません。ただ、同業他社(競合相手先)でのアルバイトであれば、いざバレた時に非常にめんどくさいことになります。最悪、会社のノウハウを相手企業に流したなどとして、損害賠償ものになりますので、これだけは避けておきましょう。副業が認められている会社でも、競合先へのアルバイト等は就業規則的にどうなのか、確認した上でやりましょう。
と、休日を使ってのアルバイトをお勧めしましたが、さすがにこれには抵抗ある方も多くいらっしゃるかと思います。
・今いる会社の資格手当を活かし、資格を取る
・もっと給料の多い環境へ転職する
などが出来るなら、その方法が良いと思います。
繰り上げ返済
ここまでは奨学金の返済が厳しい場合の話をしましたが、その後の展望についても考えておきましょう。奨学金は返済の猶予もできますし、余裕があるなら繰り上げ返済することもできます。
特に2種奨学金は、少額ながら利息が発生するので、返せるならさっさと返還したいところです。私も去年は通常の返済に加えて、30万円程繰り上げ返済をしました。さっさと全部返済して、気分的に楽になりたいですね。
まとめ
以上、奨学金の返還が難しい場合にも出来ることはあります。苦しい時には無理せず、利用できる制度を利用していきましょう。