生活保護に関する考察

【生活保護制度】医療費無料の金銭的価値

日本における最後のセーフティネットである生活保護では、単純な生活保護費の支給に加え、色々な恩恵があります。
中でも医療費無料は割と知られており、利用者の恩恵も大きいのではないでしょうか

ただ、医療費無料の恩恵があると言っても具体的に幾ら恩恵を受けているかは答えにくいと思います

ということで、各年齢の医療費を見ることで生活保護では医療費無料によってどれくらいの恩恵があるか
医療費無料の具体的な価値、金額を改めて確認しようというのが今回の趣旨です

動画にもしてみました

前置きですが、ここで紹介する医療費は、保険適用前の金額です
実際の医療費はこの3割、もしくは2割、また高額療養費制度と組み合わせて考えることになります
今回は年齢階級別1人当たり医療費(令和元年度)(医療保険制度分)のデータを参考にします

若い世代にとっての医療費無料の価値

まずは乳幼児や小学生の話をしましょう

乳幼児、4歳までは年間で24万円、そして10から14歳までは年間8.5万円の医療費がかかっています。
自己負担3割とすると、それぞれ7.2万円、2.6万円の年間負担額になります。

ただ、子育て支援と銘打って中学生までの医療費無料などを謳っている地域もそこそこにあります
生活保護制度だけの特別な恩恵としては考慮しないことにしましょう

そして20~24歳が最も医療費が少なくなります。
年間で8.1万円、3割を自己負担とすると2.5万円です。

そこからだんだんと、年齢を重ねるにつれ医療費はかさむようになります

25~29歳で年10.2万円 自己負担3割なら3万円
40~44歳で年15.3万円 自己負担3割なら5万円です。

まだまだ、医療費無料の恩恵はそこまで大きくないです。

とは言っても、生活保護を利用するような方であれば
若くても傷病や障碍と向き合っている方、それに伴い医療費がかさむ方も多いので
この平均よりは医療費はかさんでいるとみなして間違いは無いでしょう。

ここまでの医療費は、正直年齢の違いなど誤差レベルなので飛ばし飛ばしで紹介しています。

年を重ねた世代にとっての医療費無料の価値

医療費は年齢を重ねるにつれてどんどん、容赦なく増えていきます

50~54歳で年23.4万円  自己負担3割なら7万円
55~59歳で年29.6万円  自己負担3割なら10万円です
60~64歳で年37.5万円  自己負担3割なら12.5万円
65~69歳で年47.2万円  自己負担3割なら15.7万円です

このように、医療費とそれに伴う自己負担額は一気に増えていき
70歳から74歳では、医療費は年60.7万円もかかるようになります

この年齢に入れば、は医療費の自己負担は
生活保護も視野に入る低所得向けに2割負担だということで話を進めていきます

そう考えると、医療費60万円の自己負担は年間で3割の18万円ではなく、12万円と計算するのが妥当です。
さて、医療費がここまで大きくなってくると高額療養制度というものがあります

医療費の自己負担は、一定額を超えるなら支払ったものは後で返還されます
その一定額は住民税非課税世帯であれば、外来だけなら月8000円です
入院であれば月に24600円、住民税非課税世帯の中でも特に収入が少なければ月に15000円です
つまり、外来だけであれば年間で9.6万円、これが医療費の上限です。

入院が時折発生する事を考慮しても、低所得層が実際に負担する上限は15万円前後でしょう。

なので、これ以降も医療費は増えていきますが、低所得層においてはこの高額療養費制度に引っかかる年間15万円が、生活保護によって無料になる金額だと言えます

75歳以降も医療費はどんどん増えていき、最終的には100万円を超えるようになります。

それでも低所得層であれば、医療費は高額療養制度に引っかかるため
自己負担は年額で15万円、入院が多ければ25万円程になるかと思います

まとめ

まとめますと、若ければ年間3~5万円
定年前後で年間10~15万円
さらに年齢を重ねた時には最大で年間25万円前後
これが無料になるのが生活保護の医療費無料の恩恵です

もちろん医療費の多い人、少ない人を合わせた平均ではありますが、目安としてはこんなものかと思います

因みに投稿者自身は生活保護利用時、そもそもの医療費もそこまでかかりませんでしたが
それでも生活保護の利用期間トータルで数万円浮いています

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