生活保護に関する考察

生活保護で月1万5千円のバイトの前に

こちらをお読みの方は
生活保護のシステムについてどれほどご存じでしょうか?

生活保護受給者が労働した場合の収入の扱いですが
月当たり15,200円までは全額手元に残り
月当たり15,200円を超えた分はその1割だけ手元に残ります。
これは生活保護受給者の勤労を促すための取り組みです。
※厳密には、全て手元に残り
支給される生活保護費が調整される場合もあります。

このお話しだけを聞くと
月に1万5千円だけ稼げば丸々残ってお得じゃん
生活保護費+1万5千円で生活できるじゃん
と、生活保護を受給しながらの労働を経験したことが無い方は
安易に考えるかと思います。
確かに計算上はそうなりますね、計算上は

・・・本当にそうでしょうか?

ということで今回は
生活保護受給者が月に1万5千円だけ稼ぐ行為
についてのお話しと
生活保護受給者の労働意義について述べます。

言いたいこと

「1万5千円だけ稼げば丸々残ってお得
 という考えは捨てよう」

目次
 生活保護の勤労控除とは
 1万5千円だけ稼ぎましょうなんて許されない
 生活保護受給者が労働する際の心構え
 まとめ

〇生活保護の勤労控除とは

なぜ生活保護受給者は
1万5千円だけ稼げば丸々残ってお得なのかの説明です。
生活保護の基本的なお話になります。
理解している方は飛ばしてください。

こちらの基礎控除額表(渋谷区)より
記載の収入金額を得た場合
控除額が手元に残り
差額は福祉事務所へ返還
(次回の生活保護費から差し引き)されます。
渋谷区から引用しましたが全国こんなもんです。

月当たり15,200円までは全額手元に残りますが
月当たり15,200円を超えた分は
その1割だけ手元に残ってますね。

どうでしょうか?
15,200円以上と以下で
扱いが全然違うのが分かると思います。

仮に時給1000円で
月に15時間
月に20時間
月に50時間
働いたとしましょう。

月に15時間働いた場合
手元に残るお金は15000円です。
特に引かれるお金はありません
時給1000円です。

月に20時間働いた場合
手元に残るお金は15600円です。
(4400円が引かれます)
時給は720円です。

月に50時間働いた場合
手元に残るお金は18400円です。
時給368円です。

ということで
1万5千円だけ稼ぐという行為は
生活保護受給者にとっていかに効率が良いか
逆に、 1万5千円を超えた労働の対価が
いかに手元に残らないか
ご理解いただけたかと思います。

※何が時給だよ?
生活保護費って働かなくても受け取れるじゃん!
月に50時間働いて生活保護費10万円貰って…
時給2000円超えてるよね!
と、生活保護受給者にイラっとした方
間違いなくいらっしゃるかと思いますが
生活保護受給者も、能力に応じて
出来る限りの仕事をしているとご理解ください。

〇1万5千円だけ稼ぎましょうなんて許されない

では、実際に月に1万5千円だけ稼ぐと
どうなるでしょうか。
1万5千円が丸々残ってお得
生活にも余裕が出る!・・・のでしょうか?
自身の体験と知人の事例から紹介します。

正解は
まず、月に1万5千円だけ稼いだ初月に

働けなくはなさそうですね
工夫すればもっと稼げそうですね
もっと稼ぎましょう

とケースワーカー様に判断されます。
得られた収入がどんな金額であれ
働いたことを、就労の意思ありと
まずは好意的に捉えてもらえるかと思います。
1万5千円はもちろん丸々手元に残ります。
生活に少し余裕も出ます。

ここまでは特に何の問題もありませんね。

しかし、そのまま月に1万5千円だけ稼ぐ状態が続けば
月に1万5千円しか稼げないのはどういう事情があるのか
月に1万5千円分だけの労働時間しか
ひねり出せない理由は何なのか
と、突っ込まれることになります。
月に1万5千円分を稼ぐ労働が出来る土台がありながら
毎月1万5千円だけ稼ぐ状態が続くのは
非常に不自然ですからね。
月に1万5千円分を稼いだら
次は2万円…3万円…と
ステップアップを目指すことになります。

私が生活保護受給者時代に
仕事が減ったために、アルバイトで得られた収入が
5万円から2万円に下がった時なども
どういう事情があったのかと突っ込まれました。
福祉事務所は、故意に労働量を調整する行為
(わざと働かない行為)には非常に敏感です。
これは当然のことで
生活保護受給者は持てる能力を最大限生かして
就労する義務があると規定されているからです。

ずっと1万5千円の収入が続く場合は
生活保護制度を把握している人が
故意に月に1万5千円の労働をするよう調整している
と、捉えられます。
肝心の1万5千円はもちろん丸々手元に残りますが
あまりに続くと問題のある生活保護受給者として
マークされます。
マークされるとどうなるかは地方公共団体によりますが
まず、働く能力があるということで
就労指導が重点的にされます。
その後どのような展開をたどるかはケースバイケースですが
全く従わない場合は最悪、生活保護の廃止もあり得ます。

もし何も突っ込まれないとすれば
ケースワーカー様が大変忙しく
個々人にいちいち構っていられない場合があります。
ケースワーカー様も大変なんだなと
労いの気持ちで見ると同時に
もしケースワーカー様が変われば
状況はあっさり変わることもあると認識しましょう。

以上
月に1万5千円だけアルバイト等で稼げば
全て手元に残るためお得
というのは机上の空論です。
月に1万5千円だけ稼ぐという生活を
ずっと継続している生活保護受給者はそういません。

因みに、じゃあ月に1万円だけ稼ぐというのはどうか
という考えも、結果は同じです。
例え千円でも稼げるなら、それを突破口に
長期的な就労につなげるのがケースワーカー様の仕事だからです。

〇生活保護受給者が労働する際の心構え

1万5千円だけ稼ぎたい
それ以上の労働はしたくない!というのは
月に1万5千円以上を稼げる生活保護受給労働者の
多くが一度は考えることですが
素直にご自身の能力に応じて労働市場に参加して
その対価として収入を得て
月に1万5千円以上の収入を家計費に足して
家計を楽にしましょう。

ここまでのお話しで、働く気が削がれた方が
いらっしゃるかもしれません。
また、月に1万5千円を超えての労働を
大変低いモチベーションで取り組んでいる
生活保護受給者の方もいるかと思います。
というか、大半の生活保護受給者がこれだと思います。

月に5万円稼ぐ場合と
月に1万5千円稼ぐ場合で
手元に残るお金が大して変わらない現実を見ると
これは働く意味はあるのかと思われてしまいますが
確かに、金銭的には月に1万5千円を超えて働く意味はありません。
些細な収入増はありますが、就労に伴う出費
(仕事先での食費など)で相殺されます。
私も元生活保護受給者のフリーターでしたので
気持ちは非常にわかりますが
観点を変えて、人としての尊厳を維持するために
少しでも自立して生きるために
生活保護受給者の義務
「能力に応じて働き、所得を得る」を果たすために
働いているのだと割り切ってください。

〇まとめ

なんだかんだ書きましたが
生活保護の脱出ステップとして
また、生活に余裕を持たせるためにも
労働は非常に有意義です。
月に1万5千円だけ稼ごうという考えはさておき
可能であれば能力に応じて働きましょう。

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