生活保護受給者の平均年齢【統計データから見る生活保護】
今回は、生活保護受給者の平均年齢について語ってみます。
早速ですが、2019年度の統計データから、生活保護受給者の平均年齢は59歳です。
気になる方は元データの
厚生労働省 2019年度被保護者調査 被保護人員-平均年齢、続柄・級地・世帯人員・性・年齢階級別
を確認してみて下さい。
全体像の部分だけ貼っておきます。
ぱっと聞くと、生活保護受給者の平均年齢が高すぎないか?と感じるのではないでしょうか?
因みに日本の平均年齢は49歳です。
現在の日本では、45歳までは若者と言っても間違いではないですね。私もあと10年は若者だと胸を張って言えそうです。
因みに2017年時点での生活保護受給者の平均年齢は57.6歳です。
生活保護受給者の平均年齢は年々上がっています。このまま10年後とかを考えると怖いですね。生活保護受給者の平均年齢は65歳!という未来も遠くありません。
ただ、この平均年齢59歳を取って、平均的な生活保護受給者を想像するのはさすがに無理があります。高齢者の方もいれば就学中の方も、勤労世代の方もいるのが生活保護です。
なので、もう少し小分けしていきます。
まず注目すべきは80歳以上が30万人、つまり生活保護受給者の15%を占めています。
この層が生活保護受給者の平均年齢を大きく引き上げています。
もっと言うと、65歳以上の働くにはちょっと厳しいかなという年齢の方をまとめると、105万人以上います。つまり、年金世代が生活保護受給者全体の半分以上になっています。
この世代が生活保護を受給する理由は、年金世代になったものの年金だけでは食べて行けず、生活保護を開始するようになったためです。
恐らくこのサイトをご覧いただいている方に、65歳以上の方はあまりいらっしゃらないかと思いますが、統計上の生活保護受給者像は高齢者です。
さらに、55歳から64歳までの人数も30万人以上います。この方々も、そう遠くない未来に高齢者組の仲間入りをします。
生活保護受給者は45歳を境に増えていき、さらに年金世代になって急増してます。
その理由は2つあります。
1つめは「元々自力で生きることが出来ず、親に頼って生きてきたが、親が亡くなった」からです。
45歳から60歳くらいの方は、親の年齢が70歳から90歳くらいになるかと思います。でも人間の平均寿命は85歳前後なのでそれ以上はなかなか生きられないですよね?
なので、自力で生きられないため親を頼って生きている方にとって、生活保護はいずれ来るものになります。そのタイミングが45歳を超えたころから始まるという話です。
2つめは「40歳を過ぎたタイミングで身体を壊しやすい」からです。
自分一人で上手く生きてこれた方でも、40歳を過ぎて病気になったりします。40歳前後は生活習慣病が表に出て来るタイミングでもあり、体力も低下してくるタイミングです。
そのため40歳までと同じ生活をしていても、身体を壊し、満足に働けなることがあります。これは誰にでも起こり得ることなので、例え健康であっても「自分は絶対に生活保護なんか利用することはない」と高をくくらない方が良いかと思います。
ここまでが生活保護受給者のボリュームゾーンです。
残りは勤労世代である20歳から44歳が25万人ほどです。そして、就学中と思われる19歳までが20万人と少しです。
どちらも生活保護受給者全体の200万人から見れば、全体の1割といったグループになります。生活保護受給者の0歳から44歳までを集めても、全体の4分の1にも満たない数です。
そう考えると、生活保護受給者の平均年齢59歳というのは、納得のいくものではないでしょうか。
以上、生活保護受給者の平均年齢から色々考察してみました。
生活保護受給者の平均年齢が高いということは、今現役で頑張っている方も、老後は生活保護で最低限の暮らしが出来ることの裏返しにもなります。もし老後に生活が苦しくなった時のために、生活保護という選択肢もあることを覚えておきましょう。