高市早苗氏は生活保護を必要とする人にとって悪くない自民党総裁候補
菅総理大臣が次の自民党総裁選挙に出ないということで、自民党総裁選挙が盛り上がってきていますね。
そこで総裁選挙を争う一人、高市早苗氏が9月8日に総裁選出馬会見を行いました。その中で、生活保護に関わりそうな発言もありましたので、内容を見て行こうと思います。
生活保護などの社会制度教育
まずは、社会制度教育について語った点です。
「生活保護を受けられずに亡くなる」
「育児や介護の負担に耐え切れなくなってしまう」
「経済苦が理由で進学をあきらめる」
この対応策として、生活、育児、介護などに関して、利用可能な施策の周知をしたいと語りました。総裁選出馬会見の開始30分過ぎで述べています。
つまり「生活保護に関する情報を知らない」というのは問題であるときっちり認識している点が評価できると思いました。
どんな良い制度も、制度があることを知らなかったり、制度の使い方を知らなければ制度が無いのと同じです。
現在、生活保護制度の捕捉率は20%と言われています。その原因は2つあります。
1つめは水際作戦と言われるもので、一部の自治体において、生活保護を利用しに来た方を追い返すというものです。
2つめは生活保護制度に関する情報、知識の無さです。生活保護制度というものは、最低限の生活をしていくために必要な支援を行う制度です。なので、最低限の生活を営むだけの経済力がないと判断されれば、生活保護の対象となります。
この「最低限の生活」という基準が自分に当てはまるかが、生活保護を利用する上でのポイントです。それが自分に当てはまるかどうか、判断できない人は、周囲にアドバイスされるまで生活保護を利用しようという発想にはなりません。
ですが、生活保護制度を理解していなければ、判断以前の話で、生活保護という制度があるけど自分には関係ないと考えてしまいます。 生活保護を申請しない人の中には、自分が生活保護の対象となることを理解していない方もいます。
また、水際作戦においても、自分が生活保護を利用できるかできないかしっかり理解していれば、不当な水際作戦か、正当な判断かを理解することが出来ます。不当な水際作戦であれば、これはおかしいと声を上げることもできます。そのためにも、生活保護制度に関して正しく知ることが必要です。
ということで、社会制度教育の機会を設け、生活保護について知る機会を増やしていくことは、一定数の生活保護予備軍を救うと思います。生活保護に限らず、私たちは利用できるはずの制度について知らないために不利益を被ることがあります。問題の本質を分かっているなと思いました。
生活保護の不正受給に対する考え
また、質問の場で、2012年に生活保護の不正受給が社会的に話題になった際、不正受給者に対して『さもしい顔をしてもらえるものはもらおうとか、弱者のフリをして、少しでも得をしようと、そんな国民ばかりいたら日本が滅びる』と過去に発言したことについて、問われていました。発言だけを見るとなかなか強い言葉ですね。
膳場貴子アナ戦闘態勢で痛烈質問 高市早苗氏笑顔消え「これが私」
生活保護の不正受給者を放置し、生活保護のイメージが悪化すれば、生活保護を利用するしか生きる手段の無い方にとっても生きにくい世の中になります。そして、生活保護を利用しようと考えていた方も、新たに生活保護を利用しにくくなります。
引用記事のタイトルには「笑顔消え」などとありますが、笑顔でする話ではないですね。
生活保護の不正受給者に向けた発言と言う前提を切り捨てられて、この発言だけを紹介され、生活保護受給者の敵のように見られることもありますが、本当に生活保護を必要とする方を否定はしていません。本当に困っている方は利用して欲しいと述べています。
困窮者に対する現状認識
生活保護の不正受給に対する発言の後に
「本当にどんなに努力しても働けない時は働けない。実際に怪我をして入院して働けなくなってしまう方もいらっしゃる。急に自分の勤めていた会社がつぶれてしまい、その後幾らハローワークに通っても仕事が見つからず、年齢的にもしんどい方もいらっしゃる。難病を抱えていて短い時間しか働けない方もいらっしゃる。介護や子育てをしながら一生懸命働いているかたもいらっしゃる。ベビーシッターや家政士による家事サービスの利用料金を税額控除することや補助金、クーポンという形で支援していきたい。」
と、困窮している方がいることをしっかり認識したうえで発言しています。生活保護に限定してはいませんが、様々な理由で困窮している方が居る事実は、解決しなければならない問題だと理解していると言えます。
という感じで、高市早苗氏の総裁選出馬会見を生活保護関係の視点で見てみました。正直言って高市早苗氏が自民党の総裁になるとは思っていませんが、総裁になったとしても、生活保護に関しては悪影響は無さそうだと思いました。今後も自民党総裁選、そして衆議院選挙がどうなるか、目が離せないですね。