生活保護での生活

元生活保護受給者視点の、1年の過ごしやすさと過ごし方

1年の過ごし方、見え方は人によって色々あります。今回は生活保護受給者の視点で、1年の過ごし方と過ごしやすさ、その時々の気分を見て行きたいと思います。

4月

多くの人にとっては年度の初めになり、心機一転する季節だと思います。4月に働き始めた人は「この会社で働くのも〇年目だな」なんて思うでしょう。

私が生活保護を受給していた当時は「また生活保護を受給したまま4月を迎えてしまった」と考えてしまっていました。別に4月に生活保護の利用を開始したわけでも無かったのですが、1年を重ねたことを実感して一番落ち込む時期です。

また、ケースワーカーが新しい人に代わることも多く、色々指摘されることが無いか緊張しながら過ごします。

5月

5月が過ごしやすいのは生活保護でも同じです。GWの色々なイベントに乗っかるなりして、割と楽しく過ごせます。

ケースワーカーが変わった場合の人間性も分かってくるので、ケースワーカーに対しては何とも思わなくなります。

6月

生活保護を利用していた当時は、体調が不調だったこともあり、雨の時期は活発に活動できませんでした。家で横になって何もしなかった時間が、割と多いです。

生活保護を利用している方は、統合失調症などが原因で仕事を出来ない方もいますが、体調を天候に大分左右されると思いますので、この時期は元気に過ごしにくいと思います。

7月

6月に外出しにくかった分、7月は活発に活動しました。日雇い派遣で花火大会の運営バイトをしたり、アプリ検証のバイトを始めたりと、3月に次いで新しいことに手を出しています。6月にやりたいことを考えて、7月に反映させるサイクルがあったかもしれません。

8月

生活保護の制度では、寒い時期の暖房代という名目で冬季加算というものがありますが、夏季加算はありません。なので、生活保護受給者の中にはクーラーをつけるかどうか躊躇する人がいます。

昨今の住宅の断熱性能の向上と温暖化を考慮すると、冬季加算を減らして夏季加算に回すべきじゃないかとは思います。

そもそも、給料を貰っている人は暑くても寒くても給料など変わらないので、暑かったり寒かったりで生活保護費を増やすのは贅沢な話なのかもしれません。

ということはさておき、家で過ごしたくない(電気代をかけたくない)ために、図書館などの過ごしやすいところへ積極的に足を運びました。

9月

過ごしやすくなり、活動意欲も増したので、アルバイトの日数を多めにしていました。

10月

夜が長くなってくるので、ついつい余計なことを考えてしまいます。夏は暑い、冬は寒いという目の前の不満が気になりますが、10月の夜は快適なので、将来のことを考える余裕が生まれ、そこからこの先の人生を考えて不安になります。

11月

11月から暖房費として冬季加算が加わり、生活保護費が多少増額されますが、まだそこまで寒くありません。そもそも、11月に支払う電気代は10月などに利用した電気代なので、支払いにお金がかかるわけでもありません。なので、割とお金に余裕をもって過ごせる時期です。

12月

寒くなり、暖房の使用量も増えますが、請求されるのは11月以前に使った分なので大したことありません。また、12月の終わりには1月に支給されるはずの生活保護費が支給されます。なにより、期末一時扶助として、1万円以上が上乗せで支給されます。

この期末一時扶助、生活保護を受給していない人から見れば、なぜ貰えるのか意味が分からないかもしれません。年末は食費等の出費が増える傾向にあるというのが理由です。

そのため、1年で最もお金に困らない時期だと思います。もちろん、ここで散財すると、1月に痛い目を見ます。

とはいえ何もしないのも味気ないので、クリスマスケーキと年越しそば合わせて1000円くらい、普段はしないような出費をしてます。

一時的にですがお金に余裕のある状態が生まれるので、精神的にも安定して過ごせます。

1月

お正月、なので布団に入ってダラダラ過ごします。ですがお正月気分をずっと続けるとお金が無くなり大変なことになります。また、ダラダラしすぎると家事をする気が無くなったりして困るので程々にします。

お正月料理とか特に口にしませんでした。今更ですが、この時期に青春18きっぶを使って色々行っておけばよかったと後悔しています。

2月

28日、もしくは29日しかないため、他の月よりお金を使いにくくなっています。28日しかなければ、31日ある1月や3月と比べて、食費などは1割減になります。

ですが寒くて電気代の請求金額も増えるので、出費もそれなりになります。

さて、この時期はミカンが美味しい季節ですが『せとか』というミカンをご存じでしょうか?1個300円以上するような高級贅沢ミカンですが非常に美味しいので、毎年この時期にせとかを食べるのを楽しみにしています。

3月

2月に使った暖房代の請求額にうんざりします。

暖かくなり年度も変わるので、割と新しいことを始めやすい時期です。私も日雇い派遣の申し込みをしたり、生活保護を抜け出すきっかけになった施設警備員の面接を受けたのがこのタイミングです。暖かくなるとやる気が出やすいので、前向きに生活保護を抜け出すならこの時期に行動を起こすと良いです。

また、担当ケースワーカーが変わるのは4月が多く、その通知が来て、場合によっては引継ぎしたケースワーカーが挨拶に来ます。

以上、私が生活保護受給者時代の個人的な視点で1年を見てみました。やはり1年で最も楽しみなのは12月になります。また、4月になると気分が落ちるという現象、生活保護を抜け出してからは一切ありません。生活保護を受給していた当時独特の現象だったのかなと思います。

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