生活保護費は少ない?生活していけないほど少ないのは本当か検証【余る人もいます】
今回は生活保護を実際に受けていた私が
「生活保護を受給する生活は厳しい」
「生活保護費は生活していけないほど少ない」
というネット上、雑誌上での声は
本当かどうかを検証して、お話しします。
※おことわりとして、2019年の記事作成時点の事情で検証しています。
結論から言います。
贅沢はあまりできませんが
普通に生活できます。
生活保護は地域差が非常に大きな制度なので
生活保護費が余り、余裕で貯金できる人もいます。
・この記事を書こうと思った前置き
・住宅扶助
・期末一時金
・冬季加算
・医療扶助
・公共料金の免除
・生活保護は実際いくら貰っている?
・まとめ
生活保護での生活は金銭的に苦しい…
ニュース記事や質問サイト
SNSでそんな記事、発言を見かけることはありませんか?
私も最近、次の趣旨の発言を見ました。
『生活保護を受給しています。
毎月8万円弱しか貰えません。
これでは生活できません。
どうしてもっと貰えないのでしょうか。』
「生活保護 苦しい」などで検索すれば
同じような発言をネット上で多く見られます。
実際に、8万円弱しか貰えないというパターン
つまり生活保護が実質的に8万円だというパターンは
・住所不定である
・老朽化した持ち家がある
…など、特殊な事情のある方くらいしかありません。
早い話、自分の生活を振り返ってみて、生活保護が苦しいという発言に違和感を覚えてしまいました。様々な生活保護上の制度を説明し、こういった発言の裏側を解説します。
住宅扶助
生活保護制度上、支給されるお金は
生活扶助費+住宅扶助費+その他いろいろ…
となっているのですが
この生活扶助費だけを取り上げて
この金額しか貰えないんです、と
言っているケースがたまに見かけられます。
自由に使えるお金=生活保護として貰えるお金
と発言者が認識していると考えれば
必ず出ていく家賃という出費は
自由に使えるお金ではないから
支給されている金額には入れないという理屈でしうか。
もっとも、みんながみんな確信犯というわけでもなく
住宅扶助は直接大家さん・不動産管理会社へ
払われることもあるため
生活保護費として受け取っている
いう意識が抜け落ちている方もいたりします。
「生活保護なので無料で家に住めている
自由に使えるお金は8万円」
という感じでしょうか。
納税者の目線で考えますと
税金から家賃を出しているのに
生活保護費の一部として認識していない方が
いるというのは
非常に不快になるところだと思います。
さて、この住宅扶助費というのは実費で支給されます。
住む地域によって上限が設定されており
住んでいる物件によって大きく変わりますが
実際には単身世帯で3万円~5万3千円程だと
認識してもらえればよいです。…①
因みに、老朽化して売却しても資産にならない持ち家に住んでいる
住所不定で、インターネットカフェなどを転々としている
このようなケースだと、住宅扶助は支給されません。
期末一時金
年を越すためのお金です。
お餅とか、正月料理とか・・・
健康で『文化的な』最低限度
年末年始を文化的に過ごせるようにという配慮です。
東京都23区を例にしますと、14100円です。
月当たりに換算(12ヶ月で割り算)して
1000円貰っているんだなと言えます…②
冬季加算
冬場は寒いので光熱費がかかるため、その分の加算です。
世帯人数によっても違いがありますが
住んでいる地域が寒いかどうかで大きく変わります。
単身世帯を例にしてみますと
一番寒くない地域で2380円
一番寒い地域で2万円以上
が、冬期には加算されます。
また、加算されるタイミング
(冬季の定義)も変わってきます。
寒さの厳しいところだと、10~4月に加算
それほど厳しくなければ11~3月に加算
といった具合です。
実際には東京都を例に
単身世帯で3千円程だと
認識してもらえればよいです。
これを、年に換算したら1万5千円
毎月に直すと千円~1500円でしょうか…③
私は寒冷地に住んだことがありませんので
寒冷地の光熱費もわかりませんが
金額的には相応といった感じです。
ただ、北海道や青森に住んでいて
敢えて冬季加算のことを言わず
相手に「冬寒いのにこんな支給額でどうするんだろう…」と
心配を抱かせるようなケースもあります。
そんな心配をしそうになったら
冬季加算のことを思い出してください。
医療扶助
医療費分は無料です。
生活保護受給者は、保険証を返還しますが
代わりに都度報告、申請することによって
「標準的な」医療を無料で受けられます。
医療費は人によって非常に変わるところですが
金額にすると千円~1万円程の負担軽減になると思います。…④
公共料金の免除
水道代が免除・もしくは減額されます。
NHKの支払いも免除されます。
金額にすると3千円~5千円程の負担軽減になると思います。…⑤
福祉事務所によって、生活保護申請時や受給開始時に
これらの免除の手続きを教えて貰ったり、書類を渡されたり
もしくは何も説明が無いなど、対応に差があるようですので
本当は免除対象なのに手続きをしていないということもあるかもしれません。
また、年金の支払いも免除されますが
年金は低所得であっても免除の対象となりますので
敢えて「生活保護だから」という理由で
免除して貰える項目とは考えません。
生活保護は実際いくら貰ってる?
8万円しか貰えないという方を例に
①②③④⑤で見積もった金額を加算してみましょう。
①から⑤まで、全部少なめに見積もった値で計算してみます。
80000
① 30000
② 1000
③ 1500
④ 1000
⑤ 3000
合計 116500
この116500円が
月8万円…もしくは地域にもよりますが月7万円しか貰えないと言っている方が
実際に支給されている生活保護の金額です。
生活保護費はケースバイケースですので
本当に7万円しか支給されないケースもありますが
お話をよく聞いてみると、もっと貰っていると言えるよなあ・・・
というケースが大半ではないでしょうか。
少なめに厚生年金を受給している方と
大差ない水準だと思います。
これは全体的に少なめに見積もった値です。
人によっては月15万円を超える水準を
実質的に受給している方もいます。
まとめ
お読みになった方はどう思われたでしたでしょうか。
生活保護の水準は、確かに高いものではありませんが
生活できないなんてこともまったくありません。
と、管理人は思うのですが
医療費がかからない前提で
月12万円弱での生活はどうでしょうか?
やっぱり不可能でしょうか?
私も生活保護で生活が苦しいという記事と
その家計簿を色々見てみましたが
・ペットへの支払いが3万円
・単身世帯で光熱通信費が3万円
(光熱費を切り詰めている描写があり、おそらく通信費が2万円)
・たばこに月2万円
・内訳のわからない雑費が1万円
(日用品費などはほかにあるため、ようは使途不明金)
そんな生活が苦しい原因が
はっきりしている家計簿ばかり目にしました。
私は生活保護で娯楽を楽しむことは全肯定しています。
パチスロに使おうが自由だと思っています。
しかし、娯楽費にお金をかけた結果、生活保護は苦しい苦しいというのも間違っていると思います。
原因は生活保護ではなく、日常生活にあることがはっきりしているのではないかと思います。
生活保護の方向けの当サイトで
このような記事を書いたのは
しっかりと家計簿に目を向ければ
苦しい原因を特定し
生活を見直せば
家計は改善できるということを
お伝えしたかったからです。
※とはいえ、生活保護水準以下で生活されている方
(月の現金収入が10万円を割っている方)には
本当にギリギリまですべてを切り詰めており
改善できるポイントが無い方もいます。
それは素直に生活保護を受給して
生活を再建しても良いと思います。
まずは出来ることから、頑張りましょう。