生活保護費は2024年まで下がらない【増加する世帯もある】
生活保護を利用して生活する方も、ただ単に生活保護制度に関心がある方も、生活保護費がどうなるかは気になっていたところかと思います。
2022年は5年に一度の基準見直しのタイミングであり、最近は生活保護の金額に関するニュースも色々と出ていますね。
生活保護、引き下げ2年間見送り 物価高考慮 一部世帯に1千円加算
基準額、最大11%引き上げ 生活保護、来年10月から 厚労省
まず、方向性として2024年まで生活保護費は下がることはないということです。
そして、現時点で生活保護費を上げるべきと判断された世帯(同じような世帯構成で、生活保護を利用していない低所得層と比べても生活保護費が少ない世帯)に関しては、増額をするということです。
ただ、生活保護費を上げるべきと判断された世帯は、夫婦と子供世帯など、あまり多くありません。
基準額、最大11%引き上げというニュースを引っ張ってきましたが、対象となるのは1%にも満たないですので絶対に期待しないでください。
そして単身世帯や高齢者夫婦など、そもそも生活保護費を下げるべきと判断された世帯に関しては上がることはないでしょう。
この世帯は、昨今の物価高を反映しても生活保護費が減額された可能性が高い世帯です。
現在わかる情報では以上の感じになっていますが、2025年の改定がどうなるのか気になるところですね。
ここで、このような生活保護費引き下げ見送り、一部増額の決定になった背景を考えていきましょう。
まずこの改定が2025年に延期されたのは、おそらく統計的にも、今回の物価高を反映した計算が出来るタイミングだからです。
そして、引き下げの凍結がなぜ行われたかについては、物価高やコロナの影響をまとめきることができていないからです。
これは言ってしまえば政府の調査能力が低いだけの話ですが、そもそも今回の2022年の改定について、指標として選んだのが2019年の物価や出費水準だからです。
もういつの話だという感じですね。2019年はこうだったからと言って生活保護費はこうなりますと言われても誰も納得しないでしょう。
さすがに私も2019年の指標をもって、生活保護費を算出しようとするのは無理があると考えてます。
でもこれが政府の現状能力の限界で、統計をまとめるのに2~3年かかるため、2~3年前の統計が最新になってしまうのです。
もちろん、前回の生活保護費の減額について手法が裁判で争われており、一部で違法判決が出ていることも無関係ではないでしょう。
面倒な判断を避けた、もしくは非難されるのを避けたのでは?という穿った見方もできます。
減額が先延ばしされて喜んでいる方もいらっしゃるでしょうが、逆に言えば、今は本来生活保護費を増額させるべきタイミングだったとしても、統計が間に合わなくて判断ができないということにもなります。
この生活保護費基準額の決定と、基準にする指標のタイミングのずれは、どうにかするべき課題ですね。
指標と決定が3年もずれると、適切な政策が出来ているとは到底考えられません。
といういくつかの要因がありますが、生活保護費が減額されるのではと考えていた方にとっては、減額されないことが確定しただけでも一安心といったところでしょうか。
ちなみに今回の改定が生活保護費に反映されるのは、2023年の10月からになります。